人は一生のうち約3分の1を睡眠に費やすため、寝室の環境は非常に重要です。最近、あるアメリカの医師が、寝室にある3つの物が病気の原因となる化学物質やアレルゲンを含んでいる可能性があるため、健康を守るために早めに新しいものと交換すべきだと警告しました。
『ニューヨーク・ポスト』によると、カリフォルニア州の消化器内科医ソーラブ・セティ(Saurabh Sethi)氏は、Instagramに短い動画を投稿し「健康に害を与える前に、3つの“有害な寝室アイテム”を捨てるべきだ」と述べています。それは以下の3つです:
古い枕
ハーバード医科大学で訓練を受けたセティ医師によると、枕は長期間使用するとダニや汗、アレルゲンが蓄積し、細菌の繁殖地となって悪臭を放ち、皮膚感染を引き起こす可能性があります。
さらに古い枕の詰め物は劣化して平らになり、凹凸が生じて不快感をもたらします。これが首の痛み、頭痛、不眠の原因になることもあります。
セティ医師は、枕は1~2年使用したら新しいものに交換することを推奨しています。しかし過去の調査では、回答者の約64%が2年以上同じ枕を使い続けていると答えています。

合成の芳香剤
ある調査によると、アメリカ人の約72.8%が週に1回以上芳香剤や消臭剤を使用しており、57.9%は他人が使用したものに週1回以上さらされています。
非営利団体「ナショナル・キャピタル毒物管理センター(National Capital Poison Center)」によれば、芳香剤は広く使われていますが、室内の空気汚染を悪化させ、特に長期的に暴露した場合は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
セティ医師は動画の中で「ある研究では芳香剤の86%からフタル酸エステル(phthalates)が検出されました。これは生殖への悪影響や喘息との関連がある化学物質です」と警告しました。
また、多くの芳香剤はホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOCs)を放出します。これらは呼吸器を刺激し、咳、喘鳴、息切れなどを引き起こす恐れがあります。
さらに、芳香剤の強い香りは一部の人に頭痛や偏頭痛を引き起こし、また別の人には皮膚の発疹やアレルギー反応によるかゆみ・発赤をもたらすことがあります。
加えて、合成香料に長期間さらされることで、慢性疾患やがんのリスクを高める可能性があるとの研究もあります。
セティ医師は、化学成分を含む合成芳香剤を避け、精油ディフューザーなどの代替手段を利用することを勧めています。

古いマットレス
セティ医師によると、マットレスは7~10年以上使い続けるとサポート力を失って沈み込み、睡眠の質を低下させ、慢性的な腰痛を引き起こす可能性があります。
また、枕と同様にマットレスも長期間使うと皮膚の老廃物、ホコリ、湿気、ダニ、その他のアレルゲンが蓄積し、寝室の空気を汚染して健康に悪影響を及ぼします。
古いマットレスを使い続けている人は意外と多いかもしれません。ある研究によると、アメリカ人は平均13.9年間マットレスを使用しており、推奨される使用期限を約4年も超えています。別の調査では、18%の人が10年以上同じマットレスを使用していると答えています。
ジョージタウン大学の健康政策研究所のデータによれば、アメリカの成人約1,600万人(全人口の約8%)が日常生活に長期的な影響を及ぼす腰痛を抱えています。さらに、腰痛によるアメリカ国内の医療費や間接的コストは年間120億ドル以上に達し、その多くは欠勤や障害給付と関連しています。
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