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ビタミンCが肌再生遺伝子を再活性化 ―― 老化抑制の新知見

ビタミンCは肌を保護するだけでなく、加齢とともに抑制されていた若さを促進する遺伝子を活性化することで、遺伝子レベルで老化を逆転させる作用を持つと考えられています。

4月に発表された研究では、ビタミンCが免疫増強や抗酸化作用といった従来の役割を超えて機能し、皮膚細胞の基本的な老化プロセスを逆転させる遺伝子スイッチとして働く可能性が示唆されました。

「これにより、加齢に伴う肌の衰えを軽減する新しいスキンケア製品や治療法の開発につながる可能性があります」と、研究の筆頭著者で東京都健康長寿医療センター研究所 副所長の石神昭人氏はエポックタイムズに語りました。
 

DNAの発見

研究者は、ビタミンCが肌の再生に関わる遺伝子を活性化し、皮膚細胞の成長を助けることを発見しました。加齢に伴い、一部の遺伝子はDNAメチル化というプロセスによって抑制されることがあります。

DNAがメチル化されると、遺伝子は基本的にサイレンシング(不活性化)されます。ビタミンCはこの抑制を逆転させ、肌の再生遺伝子を再び活性化させるプロセスに関与しています。

「ビタミンCは単なる抗酸化物質ではなく、肌の再生に関わる遺伝子調節に重要な役割を果たします」と石神氏は述べました。「私たちの研究は、肌の健康におけるビタミンCの機能的要因としての重要性を強調しています」

科学者たちは、ビタミンC処理後にDNAの1万以上の領域でメチル化が減少し、細胞成長に関与する12の主要な遺伝子の活性が75倍に増加したことを確認しました。

『Journal of Investigative Dermatology』に掲載された研究では、人間の皮膚を忠実に模倣した特殊な実験室培養の皮膚モデルが用いられました。

研究者は、血中に自然に存在するレベルと同等のビタミンCを適用しました。わずか7日後、皮膚細胞の内層が目に見えて厚くなりました。2週目には結果がさらに顕著で、内層は一層厚くなり、外層は薄くなっていました。これは皮膚細胞がより活発に分裂・成長していることを示し、細胞増殖の指標であるKi-67というマーカーの増加によって確認されました。

「ビタミンCは特に表皮細胞の成長を制御することで、表皮の構造と機能に影響を与えているようです」と石神氏は述べました。

ビタミンCは、皮膚の最外層に主に存在するケラチノサイトの増殖を促進することで肌を厚くし、特に高齢者の薄くなる肌に対して有望な治療法になり得ると彼は指摘しました。
 

ビタミンCの仕組み

ビタミンCは、肌の再生遺伝子を活性化するタンパク質にエネルギーを供給することで、肌の若返りをサポートします。これらの酵素は働くために電子を必要とし、ビタミンCは余分な電子を共有します。

研究者がこれらのタンパク質を阻害すると、アンチエイジング効果は消えました。

皮膚の成長を促進することで、ビタミンCは皮膚の保護バリアを強化し、全体的な健康を改善する可能性があります。

しかし、この研究は実験室の皮膚モデルで行われたため、これらの効果が現実世界に応用できるかどうかを確認するには、ヒトでの臨床試験が必要です。
 

ビタミンCの肌への効果を最大化する

研究に参加していない、アポロ皮膚科の創設者で認定皮膚科医のアルジュン・デュパティ博士は、ビタミンCが肌の健康をサポートする効果にはライフスタイル要因が影響すると述べました。これには以下が含まれます:

  • 喫煙:皮膚と血液の両方でビタミンCレベルを低下させ、コラーゲンの分解を促進する。
     
  • 過剰な日光曝露:皮膚のビタミンCを枯渇させ、老化を加速し、皮膚バリアを弱める。日焼け止めやUV防護服の使用が不可欠。
     
  • 高アルコール摂取:ビタミンCの吸収を妨げ、肌の弾力性と保湿力を低下させる。
     
  • 高グリセミック指数食品および加工食品の多い食事:コラーゲン損傷を促進し、栄養密度に欠ける。
     
  • 睡眠不足とストレス:炎症を増加させ、ビタミンCが関与するコラーゲン修復を阻害する。
     

ビタミンCが豊富な食品

研究では、食事由来のビタミンCが肌の柔軟性を改善するかどうかは調査されていません。しかし、ビタミンC欠乏が乾燥や鱗状の肌につながることは研究で示されています。

研究に参加していない、食事と健康のウェブサイト「GLP-1 Hub」の創設者で登録栄養士のアナ・ライスドルフ氏は、エポックタイムズに「ビタミンCの最良の食事源は果物と野菜です」と語りました。

「これには赤と黄のパプリカ、キウイ、イチゴ、柑橘類、ブロッコリー、芽キャベツ、パパイヤが含まれます」と彼女は述べました。

これらの食品はビタミンCが豊富であるだけでなく、他の植物栄養素も含まれており、抗酸化作用やコラーゲンサポートに役立ち、肌の健康維持に寄与すると彼女は付け加えました。

デュパティ氏は、特にビタミンC摂取を増やすことで恩恵を受けやすい集団として、高齢者、現在および過去の喫煙者、ビタミンCの吸収を抑えたり分解を増加させる薬(ステロイド薬や一部の化学療法薬)を服用している人、妊娠中および授乳中の女性を挙げました。

さらに同氏は、アスリート、活動量の多い人、慢性的な消化器疾患を持つ人、食生活が不十分な人も、ビタミンC摂取を増やすことで恩恵を受けられると付け加えました。

(翻訳編集 日比野真吾)

がん、感染症、神経変性疾患などのトピックを取り上げ、健康と医学の分野をレポート。また、男性の骨粗鬆症のリスクに関する記事で、2020年に米国整形外科医学会が主催するMedia Orthopedic Reporting Excellenceアワードで受賞。