あなたは1日何時間デスクワークをしますか?イギリスの週刊科学誌「ニュー・サイエンティスト」で、せっかく運動をしたのに、その後長時間座りっぱなしの人は、運動は好きですが1日20本のタバコを吸う人と同じく、健康とは言い難いと指摘されています。長時間座りっぱなしの仕事や生活スタイルの人は特に注意しましょう。各国専門家は、長時間にわたり座っていると人体にいろんな悪影響を与えると警告しています。
1時間ずっと座っているだけで、血中脂肪の燃焼を助けるホルモン感受性リパーゼ(Hormone- sensitive lipase、 HSL)の働きが鈍くなり、脂肪燃焼量は90%も減少し、脂肪が蓄積されると専門家は指摘。デスクワークをする人の下っ腹が出ている、お尻に脂肪が多いことの原因です。
栓塞(せんそく)
ずっと座っていると血液循環が悪く、血液は足に集中してしまうので、下肢の疾患を引き起こす可能性が高くなります。1日3時間以上デスクワークをする人は下肢深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群の原因となる病気)にかかるリスクが、3時間以下の人の2倍であると、イギリスの医療雑誌「王立医学会(Journal of the Royal Society of Medicine)」に発表されました。
炎症反応
4時間以上座りっぱなしの人は、2時間以下の人と比べて、C反応性タンパク(体内の細胞組織が傷ついたり、臓器や粘膜が炎症した時に、体の防衛反応として血中に現れるタンパク質)の発生率は倍になると指摘。オーストラリア、クイーンズランド大学の研究チームは、デスクワークをする人の中で、よく席を立ったり、動く機会が多ければ多いほどC反応性タンパクは少なく、ウェストも細いという結果が出ています。
苛立ちや憂鬱
同じ条件で、3時間座り続ける組と6時間座り続ける組を比較すると、時間の長い方が苛立ちや憂鬱症状が顕著に現れました。
慢性疾患
「内科医学年鑑(Annals of Internal Medicine)」に発表された研究レポートでは、定期的に運動を行う人で、長時間座っているのとそうでない人とを比べて、糖尿病にかかるリスクが90%も高いと示しています。
長時間座りっぱなしの人は大腸癌の発病リスクが24%増加、子宮内膜ガンの発病リスクは32%増加するというドイツでの研究結果が出ています。
定期的に運動する人の中で、長時間座っている人はそうでない人と比べて、心臓病またはガンにかかるリスクが18%多く、それ以外の原因で死亡するリスクも24%高いと「内科医学年鑑」では分析しています。
対策
では、どうすれば良いのでしょうか? とにかく動きましょう。そして、座っている時間を減らしましょう。アメリカ、ユタ大学の研究報告では、1時間座った後に2分間の運動をしただけで、心臓病にかかるリスクを減少させ、死亡リスクを33%減らすことができると示しています。
しかし、デスクワークの多い人は、毎日5〜6時間座りっぱなしです。どう改善すれば良いでしょうか。一番簡単にできることは、例えば、通勤の時、電車では席に座らないで立つとか、エレベーターの代わりに階段を使ったり、ランチに出かけたり、トイレに行くなどができます。また、自宅では、立ってテレビを見るとか、読書する時にちょっとの間でも立って読むなど、極力座る時間を減らすようにしてみては如何でしょう。
(翻訳編集・豊山)
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