人間の体内にはセロトニン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンという4種類の「快楽物質」があります。それらが十分かつ機能的に作用することによって、さまざまなストレスや不安、憂うつ感を改善することができます。
ここに紹介する10種のナチュラルな方法は、副作用の心配が一切なく、きっとあなたの体内に「幸福感」を補充してくれます。
1、朝の陽光を浴びる
毎朝早く起きて、屋外で明るい太陽の光を浴びてください。
イタリアのある神経精神科医師は20年近く前から、躁うつ病のために入院治療を受けた患者のなかで、「東向き病棟の患者は、西向き病棟の患者より早く退院する傾向がある」ことに気づいています。
これについて米ニューヨークのウェイル・メディカル大学の精神医学教授、リチャード・フリードマン氏は、「朝の日差しが抑うつ感を軽減する効果があるからだろう」と話しています。
日光を浴びることは、セロトニンやドーパミンのレベルを上げる有効な方法です。朝起きたら、窓とカーテンを開けて、新鮮な空気とともに、部屋に十分に日光が入るようにします。
休日ならば、早朝の公園を散歩してください。平日であれば、通勤途中の路上で、日差しの当たる場所を選んで歩くことも、気持ちを明るくします。
日光に当たることはビタミンDの体内合成を促進し、骨を強くすることができます。ただし、日光を浴びる時間が長くなりすぎると肌に与えるダメージが大きくなりますので、30分程度でも十分です。
日焼けがひどくて回復が長引くと、セロトニン神経系の自己抑制機能も働き始めるため、当初の目的である「抑うつ症状の改善」に逆効果になります。
2、自分に合った運動をする
好きな種目を選び、自分の興味に応じて適度におこなう運動は、疲れた心を癒すうえで非常に良い方法です。
これは、ハードな練習メニューが課せられた競技者レベルのスポーツではなく、あくまで余暇の趣味として続けられるものでなければなりません。
運動は、脳にエンドルフィン、セロトニン、ドーパミンなど多くの快楽物質を分泌させることで、悩みを軽減しストレスを発散させます。
リバプール大学臨床心理学院の研究により、自分が最も慣れた方法で規則的に有酸素運動を行うことは、情緒の安定維持に高い効果があることが分かっています。
3、ぐっすり眠る
「睡眠が感情に与える影響は、非常に、非常に重要です」と、米ホフストラ大学ザッカー医学部精神科助教授の陳至暉氏は強調します。
毎日規則正しく、良質な睡眠をとることは、体内のドーパミン、セロトニンなどの物質を安定させるのに役立ちます。「日が昇れば働き、日が沈めば休む」という伝統的で最も自然な生活パターンは、心身の疲れや傷を最もよく修復するものです。
現代に生きる私たちが、日没とともに就寝することはありませんが、遅くとも午後11時頃までに寝ることを漢方医も勧めています。
夜になると、自然にドーパミンの濃度が下がり始め、セロトニンもメラトニンに変換されて入眠するのを助けます。ところが多くの人は、深夜までスマートフォンに指を滑らせ続け、パソコンを延々と見たりして、頭を静かに休まることをしません。
目がスクリーンの光の刺激を受け続けると、ドーパミンが分泌され続けます。それによって脳細胞が緊張したままになりますので、脳の疲労がとれないまま翌朝を迎えてしまいます。
就寝の1時間前には体をリラックスさせ、スマホやパソコンなどの電子機器は意識して体から離します。
それから、熱すぎないお風呂に入るとともに、オレンジ色の電気スタンドをつけて、落ち着いた内容の本を読んでください。
(次稿へ続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)
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