老化の元凶と、一つの若返る方法(2)

同じシリーズ

(続き)

ネガティブな心理状態が人を老けさせる原因

なぜ、ネガティブな心理状態が人の生物学的年齢に顕著に影響するのでしょうか。それは、心にネガティブな感情が蓄積されると、身体が次々と微妙な反応を示し、その結果、多くの生理的指標が変化するからです。ストレスホルモンなどが分泌され、酸化ダメージが増加し、老化に関連する遺伝子が刺激され、身体の正常な生活リズムが相対的に不安定になります。

ストレスがかかると、体内で大量のグルココルチコイドが生成されますが、これはほとんどすべての体内組織に有害で、老化のプロセスを加速させます。グルココルチコイドは記憶や認知に関連し、老化に関連するDNAに影響を与え、動脈硬化やその他の健康問題につながる可能性があります。

さらに、小児期のトラウマや心的外傷後ストレス障害の研究から、こうしたストレスによる老化の加速が何年も続く可能性があることが示唆されています。

また、累積ストレスがヒトのインスリン抵抗性につながることが示唆されています。
インスリン抵抗性は慢性炎症と酸化ストレスを引き起こし、これらは生物学的老化の重要なメカニズムでもあります。インスリン抵抗性が高まると、細胞の老化が進みます。

近年、「不幸福感」が急速に増加している

また、私たちの精神状態は近代悪化しており、より不幸、より孤独になっているという悲しい事実があります。

世界的な世論調査会社であるギャラップ社によると、不幸福感は過去15年間上昇を続け、現在は過去最高となっており、人々は、かつてないほど多くの怒り、悲しみ、痛み、心配、ストレスを感じています。0から100までのスケールで見ると、人々の不幸福感は、2006年の24から2021年には33に上昇しています。

不幸経験指数は年々増加しています。(健康1+1/大紀元)

ギャラップ社が世界人口の98%を対象に行った500万人以上の幸福度に関するインタビューでは、回答者に自分の人生を0から10までのスケールで表現してもらいました。

2006年の調査開始時点では、自分の人生を「10」と答えた人は3.4%、「0」と答えた人は1.6%に過ぎませんでした。15年後の2021年には、両者の人数は倍増しています。このうち、「最高の人生を送っている」と考える人は7.4%で1.1倍、「最悪の人生を送っている」と考える人は7.6%で3.75倍となっています。

新型コロナウイルスの世界的な流行以来、人々の孤立感も深まっています。

2020年10月にハーバード大学が950人のアメリカ人を対象に行ったオンライン調査では、18~25歳の若者の61%、子どもを持つ母親の51%を含む36%のアメリカ人が「深刻な孤独」を感じていることが判明しました。また、孤独がもたらす恐ろしい代償として、早死や、うつ病、不安神経症、心臓病、薬物乱用、家庭内暴力など、さまざまな深刻な身体的・精神的問題があることも明らかにされています。

(つづく)

李路明