地中海食ダイエットより2倍脂肪を落とす3つの食品(2)

(続き)

2.緑茶

緑茶に含まれるカテキン類は、心血管系のリスクを低減する働きがあります。カテキンをより多く(1日あたり583mg)、12週間連続で摂取した人は、対照群(カテキン1日あたり96mg)に比べて、体重、体脂肪量、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積がより減少することが明らかになっています。また、収縮期血圧やLDLコレステロール(=悪玉コレステロール)の低下も前者の方が大きくなっています。

さらに、カテキンには、抗菌、抗ウィルス、抗アレルギー、炎症性腸疾患の予防などの効果があります。ロブサン予防医学グループ院長のロブサン氏は、睡眠の質の低下、過度の酸欠、胃の不快感などに悩まされていない限り、緑茶を勧めていると言います。緑茶に含まれる抗酸化物質はフリーラジカルと戦い、自然に免疫力を高め、がんの予防に役立ちます。

3.クルミ

機能性医学を専門とする栄養士の簡子勻(カン・シイン)氏によると、クルミには食物繊維、ミネラル、ビタミンDが含まれており、他のナッツよりも不飽和脂肪酸が多く含まれています。また、食事で飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に多く置き換えると、内臓脂肪の改善につながるそうです。

また、1日56gのくるみを摂取すると、内臓脂肪の多い太り気味の成人において、体重増加を招くことなく、血管内皮機能を改善し、血圧を低下させることが示されています。さらに健康な血管内皮は、心臓病のリスクを低減します。

ロブサン氏は、ナッツ類は油脂の良い供給源であり、特にクルミは脳と神経の健康に有益であると付け加えています。
他のナッツ類と比べて、クルミは脳の健康に重要な役割を果たすオメガ3であるα-リノレン酸を豊富に含んでおり、くるみを摂取することで、記憶力が大幅に向上し、脳の老化プロセスを遅らせることができるという研究結果が発表されています。

クルミは内皮機能に有益で、脳の健康に重要な役割を果たします。(Shutterstock)

多様性に注意 グリーン地中海食を賢く食べるには?

従来の地中海食は、野菜、果物、全粒穀物、豆類、ナッツ類、種子類、バージン・オリーブオイルなどの良質な油を多く含む食材を多く取り、魚介類、鶏肉、乳製品、卵は適度な量摂取するのが良いとされています。また、赤身肉や加工肉の摂取を控えるようにと言われます。

グリーン地中海食は、従来の地中海食に加えて、赤身肉と加工肉の摂取を減らし、ミジンコウキクサ、緑茶、クルミの摂取を増やしたものです。しかし、ミジンコウキクサはまだまだ一般的な食べ物ではありません。簡子勻氏によると、ミジンコウキクサが手に入らない場合は、白身の肉(魚、鶏肉)やタンパク質の多い豆類(大豆、黒豆、ピント豆、ひよこ豆)で赤身肉の代用が可能だそうです。

ミジンコウキクサに似た他の食用藻類も、良いタンパク源です。食用藻類(微細藻類と大型藻類を含む)は食品としての価値が高く、タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、マクロおよび微量元素の供給源であることが分かっています。多価不飽和脂肪酸、多糖類、ポリフェノール、カロテノイド、その他の栄養素を豊富に含んでいます。

ロブサン氏は、臨床でクロレラを食べると脳神経から毒素を排除し、脳内の炎症に対抗するのに役立つことを発見しました。クロレラは、血糖値、コレステロール、中性脂肪のコントロールに効果的で、 藻類は免疫力を高め、神経系や免疫系を調整する働きもあると指摘しました。

くるみの摂取量は、1日2〜3個が目安です。ただし、肥満の問題がなく、他の油脂を多く摂取していない場合は、1日5〜6個まで食べても問題ありません。
同時に、バランスの良い食生活を送り、他のナッツや健康食品を食べることも大切です。 ただ、気をつけなければならないのは赤身肉です。彼女のクリニックでは、赤身肉が好きな人、男性は特に内臓の炎症が起こりやすく、心血管疾患のリスクが高まることがわかっているそうです。

(完)

蘇冠米