(前章に続く)
非常に素晴らしい出来事
ゾウ・リーさんは心が苦しくても痛くても、翌日も会社に行かなければなりません。彼女は会社で重要な地位を占め、会社のあらゆることに関わっています。アメリカに留学した時、初めての仕事は縫製作業員で、卒業後は衣料品小売店でインターンとして働きました。数十年の経験から、アパレルの生産、素材、調達、輸出、外注、マーケティング、デザインなどのエキスパートとして、ニューヨークのファッション業界から常に引っ張りだこの存在です。
2005年と2006年は、会社が低迷していた時期でした。ゾウ・リーさんは会社の財務を掌握しており、生産と調達の決定には彼女の承認が必要でした。彼女のオフィスの敷居は各部署の人々に踏み荒らされ、時には中の人が出てくるのを待ちながら中での会話を聞き、どうすれば彼女に納得してもらえるのかと考えていました。
「この素材はいいんだけど、ドレープがないから、思い通りの雰囲気にならない。素材を変えるか、あるいはデザインを変えるか……」
「色合いは良いのですが、色度の調整が必要!」
「そのデザインは複雑すぎるので、この工場には受け入れられない。職人の腕がいい他の都市の工場に変更しましょう」
「この注文は高すぎます。5000個の注文なら、少なくとも人件費を15%削減する必要があります!」
会社は毎年200万点以上の衣服を製造し、すべての商品はゾウ・リーさんの審査を通らなければ生産や出荷ができません。
当時、彼女はトニーのことで心が乱れ、会社の問題にも頭を悩ませていました。彼女の体調はますます悪化し、体重は4キロ以上減少し、まっすぐに立っていられません。さらに、胃の病気、めまい、頻繁な風邪、そして低血糖で目の前が真っ暗になることもありました。彼女は時折、占い師のジュディの言葉を思い出しましたが、「非常に素晴らしいこと」がいつ自分に起こるかわかりませんでした。
それから間もないある日、ある企業の外注工場のオーナーである蒋さんが彼女を訪ねてきて、茶色の紙袋を机の上に置き、こう言いました。「あなたの体調がすぐれないと聞きました。ここに良い功法がありますよ」
「どういった功法ですか?お断りします」。ゾウ・リーさんは幼い頃から母方の祖母の影響で、キリスト教を信仰し、教会で育ちました。「気功」というものは土臭いもので、自分のように「外国の宗教」を信じる人には受け入れられないと感じていました。「私はこのようなものを信じません」
しかし、蒋さんは「長らく顔色が良くないようですね。試しにやってみたらどうですか」と言い、煉功音楽のCDを机の上に置き、また中国の新年イベントのチケットを2枚置いて去って行きました。
数日後の午後、誰かがドアをノックしたのでゾウ・リーさんが確認しに行くと、そこには同社のニュージャージー工場の従業員である万さんがいました。万さんは中に入ると、「確かあなたは芸術作品が好きですよね?これを見てみて」と言いました。
「あぁ、ラジオシティの公演ですか?」と、ゾウ・リーさんは無造作に資料をめくります。
突然、何かをひらめいた彼女は「ちょっと待って!」と言い、数日前に蒋さんからもらった茶色の紙袋を、テーブルの上の書類の山の中から取り出しました。そして2枚のイベントチケットと煉功音楽のCDを取り出して、万さんに向かって聞きました。「もしかしてこれのことですか?」
彼はそれを見て、「そうです、そのことです。これは健康保持と良い人になるための功法です」と答えました。「私はあなたにこの功法を煉ることを勧めます。体にとても良いですよ」
ゾウ・リーさんは、頭がざわつくのを感じました。彼女は突然、夢を思い出しました。夢の中で二人の男性が彼女を押し上げて飛ばし、驚かせました。それから、神業のような手腕を持つジュディも、非常に良いことが起きると言っていました!今まさに、彼女に同じものを勧める二人の男性が現れました!
彼女は慌てて万さんに尋ねます。「蒋さんをご存じですか?」
万さん:「知りません」
ゾウ・リーさん:「知らないわけないですよ。あなたたちは同じことを話しています」
万さん:「本当に知らないんです。でも、私たちは『法輪功』について話しています」
ゾウ・リーさんは、自分の運命を決める何かが目の前で繰り広げられているような漠然とした予感がしました。「ではどうしたら『法輪功』を学べますか?」
万さん:「本があります」
ゾウ・リーさん:「何ページありますか?」
万さん:「300ページ以上です」
ゾウ・リーさんは仕事で忙しいのに、どうしてこんな分厚い本を読むことができるのだろうかと考えました。
ゾウ・リーさん:「私はいつも書籍を聞いています。CDはありますか?」
万さん:「はい、近く30番街にある書店で売っていますよ」
「急いで!すぐに行きましょう」。ゾウ・リーさんがスケジュールを確認すると、次の会議まで30分ありました。彼女は万さんを連れて、近くの「天梯書店」に行き、法輪功創始者の李洪志氏が大連で行った、9講の説法を録音したCDセットを購入しました。
ゾウ・リーさんはあの日の出来事を今でも鮮明に覚えています。あの日以来、彼女の人生は一変し、全ての謎が解き明かされたのです。
(つづく)
注:この物語中の人物名や会社名は実在のものではありません。
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