正しいタンパク質摂取で楽々ダイエット

 ダイエットに挑戦した人の多くは食欲をひたすらに我慢し、何も口に入れない、結局耐えきれずに暴飲暴食、痩せるところか、リバウンドして、逆に体重が増えるという苦い経験を持っています。実は、お腹を空かせることなくダイエットできる賢い方法があります、それは正しくタンパク質を摂ることです。
 

タンパク質を摂ると、どんな効果があるでしょうか

タンパク質(プロテイン)という言葉は、ギリシャ語の「プロトス」に由来しており、「優先、第一」という意味です。タンパク質が人体においての大切さがわかります。では、タンパク質の利点と重要性を見てみましょう。 

1. 細胞や臓器の構成 人間の細胞、筋肉、骨や臓器などの主成分はタンパク質です。

2. 成長を手助けする 子供の成長期に体を作るためにタンパク質は欠かせません。

3. 傷の修復 手術後にスズキ(魚)のスープを飲む習慣があります、スズキに豊富なタンパク質が含まれ損傷した人体組織の修復に役立つからです。

4. 筋肉の合成 タンパク質は筋肉の重要な供給源の一つとなります。タンパク質が不足により、筋肉の減少、骨折、薄毛、爪がもろくなり、皮膚の炎症、腫れ、傷の治りが遅い、感染しやすい、飢餓感、情緒不安定などの問題が生じます。

5. ホルモンの合成 人体内の重要なホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン、アドレナリン、消化酵素など)の合成にはタンパク質が不可欠です。
 

たんぱく質はダイエットに役立つ

なぜタンパク質はダイエットに役立つのでしょうか? 次のような効能があるからです。

・満腹感を増やす

高タンパク質の食事は、減量後のリバウンドを防ぎます。高タンパク質の食事が腸ホルモン(GLP-1、CCK、PYYなど)の分泌を増加させます、ホルモンが食欲を抑え、満腹感を増し、食物への摂取を減少させる効果があるからです。

・エネルギー消耗の促進

体が食物を消化する際にはエネルギーを消耗します、この働きは食事誘発性熱産生(DIT)と言います。三大栄養素の中で、タンパク質を消化・貯蔵するには、より多くのエネルギーを燃焼する必要があります。そのため、十分なタンパク質を摂取することは代謝を増加させ、エネルギー消耗を促進します。

・筋肉量の増加

タンパク質は筋肉の減少を抑え、ウェイトトレーニングとバランスの取れた食事と組み合わせることで、筋肉繊維の修復を促進し、筋肉の量を増やすことができます。

・夜食の抑制

研究によると、タンパク質の摂取量を25%増やすと、夜中に食物に対する食欲が60%減少します。2020年に『肥満と代謝症候群ジャーナル(Journal of Obesity & Metabolic Syndrome)』に掲載された論文によれば、正常にタンパク質を摂取する人と比べ、高タンパク質摂取者は体重、脂肪、トリグリセリドが明らかに減少し、ウエスト周りと血圧も改善されました。
 

一日理想的な摂取量

毎日タンパク質をどのぐらい摂取するのが理想的でしょうか? それは年齢ではなく、体重によります。健康成人は、1日あたり体重1キロにつき0.8〜1.2グラムのタンパク質を摂取すべきです。例えば、体重60キロの人は、1日あたり約48〜72グラムのタンパク質が必要です。

体重1キロあたり1.2グラムのタンパク質を摂取することは高タンパク質食と呼ばれ、0.8グラムは通常のタンパク質摂取量または低タンパク質食とされています。腎臓に疾患がある人は、体重1キロあたり0.8グラムのタンパク質摂取を推奨します。

一日タンパク質摂取量の計算方法 体重(キロ)÷10+2=タンパク質単位数。例えば、体重60キロの人は、一日8単位のタンパク質を摂取することを推奨します。1単位のタンパク質は7グラムのタンパク質に相当します。

よく使われている食品のタンパク質含有量は次のようになります。

卵1個 7g

肉または魚1オンス(約30グラム) 7g

枝豆スプーン2杯 7g

各種味付き卵1個 7g

豆腐1/2パックまたは豆乳 7g

240ccの牛乳 7g

コンビニ食品には、栄養成分が明記されており、タンパク質や脂肪の含有量を確認できます。

減量には良質なタンパク質を選ぶことが大事です。鶏肉や魚は脂肪分が少ないため、より良い選択です。牛肉や豚肉のような赤身は脂肪含有量が高いため、適量に摂取しましょう。

健康的でバランスの取れた食事(Shutterstock)

 

3食に分けて、均等にタンパク質を摂取する

身体は必要以上のタンパク質を蓄積できません。過剰に摂取したタンパク質はエネルギーか脂肪に変換されますので、タンパク質の摂取は三食に均等に分けましょう。

例えば、

朝食 サツマイモ、味付け卵1個、豆乳1杯、合計3単位のタンパク質。

昼食 鶏もも肉、豆腐の煮物、合計2.5単位のタンパク質。

夕食 小ラーメン、豆腐製品、肉、合計3単位のタンパク質。

このように分ければ、1日のタンパク質の必要量を満たし、脂肪の過剰摂取も避け、もちろんダイエット効果も達成できます。

十分なタンパク質を正しく摂取することで、ダイエットだけでなく、健康維持にも役立ち、お腹を空かせることもありません、タンパク質の摂取量をしっかりと管理することで、理想的な体型を簡単に手に入れることができます。皆様の成功を祈っています!

(翻訳編集 正道 勇)

李婉萍