筋力、持久力、そして動きのスムーズさ──これらの要素があるかどうかで、私たちは若々しく感じるか、年老いたと感じるかが決まります。他にもさまざまな要因があるのは確かですが、最も重要なのはこの3つです。3つすべてが揃っていれば、活力に満ちた若々しい感覚が得られます。しかし、それらが失われてしまうと、「年をとった」と感じるようになります。さらに厄介なのは、年をとったと感じ始めると、それらを改善するための運動すら難しくなってしまうことです。
私の使命は、あなたがもっと強く、もっと若く感じられるようにお手伝いすることです。それでは、さっそく始めましょう。
若さを取り戻す5つのエクササイズ
動かなくなればなるほど体は硬くなり、体が硬くなればなるほど動かなくなっていきます。この悪循環を断ち切るために効果的な運動は、当然ながら筋力と持久力を高めるエクササイズです。そこに柔軟性(身体の柔らかさ)と速い動きも加えることで、時間とともにますます制限されてしまう動きを、より快適に高める事ができます。
私の患者たちは、これらの運動を問題なく取り入れており、3つの重要な要素すべてにおいて素晴らしい成果を上げています。ただし、ご自身に合っているかどうかを確認するために、かかりつけの医師や医療専門家に相談されることをおすすめします。
1. 自重スクワット
エクササイズの先生が最初に処方するのが「自重スクワット」です。なぜならばそれは素晴らしい運動だからです。
効果:
自重スクワットは、お尻の筋肉(大臀筋)と太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)に直接働きかけます。また、股関節の屈曲(脚を曲げる動き)にも良い影響を与えます。
おすすめの理由:
私は古典的な運動が大好きで、自重スクワットはまさにその代表です。このエクササイズは、柔軟性・筋力・空間での動作といった複数の要素に同時に働きかけてくれます。
(写真提供:Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ:
- 足を腰幅に開いて立ちます。
- 背筋を伸ばし、頭を上げたまま、股関節と膝を曲げてスクワットの姿勢に入ります。このとき、腰を後ろに引くようにして膝がつま先より前に出ないように注意します。
- 股関節と膝が90度になるまで下げたら、ゆっくりと立ち上がります。これで1回です。12回を1セットとして、3セットを目標に行いましょう。
調整方法:
股関節と膝を90度まで曲げられない場合は、できる範囲でかまいません。バランスが不安な場合は、カウンターや家具の近くで行い、体を支えてください。
2. サイドランジ(横へのランジ)
私が観察してきた中で、筋力と柔軟性が低下してくると、ほとんどの人が横方向の動きと股関節の柔軟性を失っていく傾向にあります。歩くことはできても、床にある物を拾ったり、座ったり立ったりする動作が難しくなってきます。横へのステップができなくなり、体のこわばりを常に感じるようになります。そんな状況を救ってくれるのが、この「サイドランジ」です。
効果:
横への動きを含むため、片脚ずつ使いながら柔軟性を大きく高めてくれます。
おすすめの理由:
筋力と柔軟性の向上に加えて、横への動きによってバランス感覚も鍛えられます。
(写真提供:Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ:
- 足を約30cmほど開いて立ちます。
- 背筋を伸ばし、頭を上げたまま、右側へ約90cmステップし、右の膝と股関節を90度まで曲げます。このとき、左膝はまっすぐに保ち、左足は床につけたままにします。元の立ち姿勢に戻り、反対側も同様に行います(片側ずつまとめて行ってもかまいません)。
- 横にランジしてから立ち上がるまでが1回です。12回×3セットを目指しましょう。回数は自分に合わせて調整してください。
調整方法:
90度まで曲げられなくても、まずはできる範囲で始めましょう。バランスが不安な場合は、安定したものの近くで行ってください。
3. ハイニー(膝上げ運動)
自重スクワットやサイドランジが「下に沈む動き」なのに対し、この運動は「脚を高く持ち上げる動き」です。
効果:
股関節の屈筋(股関節を曲げる筋肉)を強化します。
おすすめの理由:
このエクササイズはテンポの速い動きで、有酸素運動(エアロビクス)としての効果もあります。また、股関節屈筋が強くなると、つまずいたり転んだりする回数が減ります。
(写真提供:Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ:
- 足を約30cm開いて立ちます。
- その場で走るようにして、膝をできるだけ高く持ち上げます。最初は軽いジョグから始めて、慣れてきたらランニングに切り替えてもOKです。ただし、低く走るのではなく、膝をしっかり高く上げるようにしてください。腕をしっかり振ることで、全体の効果が高まります。
- 60秒を1セットとし、3セットを目標にします。時間やセット数は調整可能です。
調整方法:
ジョギングやランニングが難しい場合は、足踏み(マーチ)に切り替えてもかまいません。その際も、膝を高く持ち上げることを意識してください。片足がうまく動かせない場合も、できる範囲で行いましょう。それだけでも効果はあります。
4. 片足スケータージャンプ
スピード感のあるこのジャンプ動作は、これまでの「油圧式」なゆっくり動く運動とは違い、一気にギアを上げる運動です。横へのジャンプが特徴です。
効果:
バランスと脚の筋力が鍛えられますが、特に「勢いのある動き」が重要なポイントです。
おすすめの理由:
この運動を定期的に行うと、あなたの足取りが軽くなります。自信をもって動けるようになるには、スピード系の運動が不可欠です。片足で着地する動作は、バランス感覚も同時に高めてくれます。
(写真提供:Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ:
- 足を約30cm開き、腕は体の横に構えます。
- 右側へ約60cmジャンプします。両足で着地するのではなく、右足のみに着地し、左足は床につけず後ろにスイングさせて勢いを吸収します。
- 次に左側へジャンプし、左足で着地し、右足は浮かせます。
これを1分間、3セット行いましょう。
調整方法:
大きくジャンプできない場合は、小さくてもかまいません。ジャンプができない方は、横にステップする動作でもOKです。その場合も、片足を浮かせた状態で行うようにしてください。さらにチャレンジしたい方は、ジャンプの距離やセットの時間を増やしましょう。
5. クロスオーバー・ジャック
さあ、音楽をかけましょう。ダンスの時間──とまでは言いませんが、音楽に合わせれば立派なダンス風エクササイズになります。これは「ジャンピングジャック」のバリエーションで、楽しく、しかも効果的です。
効果:
前後方向への足の動きが中心となります。テンポが速く、リズミカルに足を交差させることで、フットワークの調整に非常に効果的です。
おすすめの理由:
腕と脚を同時に動かす協調性が鍛えられ、全身の動きが洗練されていきます。
(写真提供:Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ:
- 足を約90cm開いて立ち、腕は体の横に構えます。
- その場でジャンプして、両足を交差させます。右足を左足の前に、綱渡りをするように置きます。同時に両腕をまっすぐ前に、または横に振り上げましょう。
- 元の姿勢に戻り、次は左足を前にして右足を後ろに交差させ、再びジャンプします。腕の動きも忘れずに。
この動作を1分×3セット行います。
調整方法:
余裕があれば、足をさらに深く交差させてもOKです。足の交差が難しい場合は、できる範囲で足を動かし、通常のジャンピングジャック(足を左右に広げたり閉じたり)に切り替えてもかまいません。
※モデルは腕を左右に開くバージョンで行っています。
(翻訳編集 井田千景)
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