【大紀元日本3月27日】
米倉経団連会長「欧州情勢、他山の石に」(SankeiBiz、2012.1.17)
経団連の米倉弘昌会長が、消費税率の引き上げを含む社会保障と税の一体改革をめぐり、機を逃してギリシャやアイルランドの二の舞いにならないよう、「欧州情勢を【他山の石】として日本は財政規律に取り組んでいるというメッセージを出すべきだ」と、政府に着実な実行を要求したという。
「他山の石」は、中国最古の詩集『詩経(しきょう)』の「小雅・鶴鳴」の次の一節が出典だと言われる。
他山之石可以為錯[他山の石、以って錯(さく)となすべし](他山の石でも、砥石とすることができる)
他山之石可以攻玉[他山の石、以って玉を攻(せ)むべし](他山の石でも、玉を磨くのに使うことができる)
この一節から察せられるように、「他山の石」とは本来、「よその山で採れた質の悪い石」のことであり、「他人の誤った言行も自分の行いの参考となる」という意味で使われる。冒頭例がそうである。
ところが、平成16年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」によると、「他山の石」を正しい意味で使っている人が26.8%だったのに対して、「他人の良い言行は自分の行いの手本となる」という意味で使っている人が18.1%もいたという。
卒業式の日に学生がお世話になった先生に、「先生の教えを他山の石として、明日から社会人として頑張ります」と言ったとしたら、先生は返す言葉に窮するであろう。学生が正しい意味をわかっていてあえてこう言ったとしたら、当の先生はよほどの「反面教師」だったにちがいない。
(瀬戸)
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