朝から晩まで休みなくパソコンを見つめ、スマホを指で滑らせる毎日。
現代の私たちは、眼精疲労の要因となる物品に包囲されています。
サプリに頼らず、食物で摂りましょう
目が疲れるのは当然の結果かもしれませんが、そうした問題は何とか解決したいもの。そこで眼精疲労を改善するために、目を休めること以外に、眼の保護に有効な栄養素の摂取が不可欠です。
初めからサプリメントに頼らなくても、良質の自然食品を十分取り入れることで、これらの栄養素を補給することができます。
私たちが脳に伝達する情報の80~90%は、目を通じてもたらされます。
そこで、目の疲労は日に日に増え、視力低下や目のかすみ、充血などの不快な症状を引き起こします。こうした眼精疲労は、各種の眼病リスクを増大させるとともに、頭痛や吐き気、肩こりなどの深刻な症状も誘発させてしまいます。
長時間のデスクワークや学習で目に疲労を感じたら、目の周囲のツボマッサージ、あるいはホットタオルを当てて目の周りの筋肉を温め、血液循環を促進するといいでしょう。
適切な「食」が、あなたの眼を守ります
食事は、全身の健康を維持する基本です。もちろん自分の目を守ることにも、食事の内容は深く関わってきます。
目の健康維持に役立つ栄養素として、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、アスタキサンチン、アントシアニン、ルテインの6つが挙げられます。前の3種がビタミン類であるのに対して、その他の3種は活性成分(有効成分)と呼ばれる物質です。
これらの栄養素を継続的に摂取することで、目の疲れを軽減するとともに、視力低下や目の老化を防ぐ効果が期待できます。
ビタミンAは、眼や皮膚の粘膜を健康に保ち、視力の低下を防ぎます。
ビタミンCは抗酸化作用、フリーラジカル除去作用、目の老化防止作用があります。
ビタミンEは抗酸化作用に加えて、眼の水晶体内にある脂質過酸化反応を抑制し、血液循環を改善するとともに、近視などの眼疾患の発生とその進行を抑制することができます。
アスタキサンチンは、仮性近視の回復を助けるほか、眼精疲労の緩和、および加齢黄斑変性、白内障、網膜症の予防にも有効です。
アントシアニンは人体内のビタミンの活性を保持するとともに、これを強化します。さらには、フリーラジカルを除去し、眼の筋肉の老化を防止する機能もあります。
ルテインは、ブルーライトが目の黄斑部に与えるダメージを減らします。
どんな食材から摂取できますか?
これらの栄養素は、どんな食材から効率よく摂ることができるでしょうか。
ビタミンAは、ニンジンやホウレンソウなどの野菜に豊富に含まれるβ-カロテンの摂取によって、体内で生成されます。
ビタミンCは各種の果物のなかに多く存在します。ジャガイモは、それ自体がビタミンCを豊富に含む食材であり、ジャガイモを食べるとビタミンCの吸収効果が良くなることが知られています。
ビタミンEは、ナッツ類に多く含まれています。
以下は、これらの栄養素を含む一般的な食品です。
ビタミンA:ニンジン、ホウレンソウ、ニラ、春菊、小松菜、ピーマン、うなぎ。
ビタミンC:レモン、ゆず、イチゴ、パプリカ、ジャガイモ。
ビタミンE:ヘーゼルナッツ、アーモンド、ゴマ、カボチャ、タラコ。
アスタキサンチン:エビ、カニ、サケ(鮭)。
アントシアニン:ブルーベリー、カシス(クロスグリ)、ブドウ。
ルテイン:ブロッコリー、ホウレンソウ、カボチャ、菜の花、タラ(鱈)。
このほか、マグネシウム、亜鉛、銅などの微量元素を含む食品を食べると、目の疲れによる不快感を和らげることができます。
最後に、大切なことを一言申しましょう。
これらの「目に良い食材」を選んでも、食事をする際にずっとスマホやテレビに目を向けていては、良くなるはずの目も良くはなりません。
どうか食事の時には、それらの機器を身近に置かず、目と心を十分休めて、楽しく食事に集中してください。
(文・李梅/翻訳編集・鳥飼聡)
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