花ごよみ
LIFEコラム
  • 「雪梅(せつばい)」と題する漢詩がある。南宋の詩人、方岳(ほうがく)の作である。 有梅無雪不精神、有雪無詩俗了人、薄暮詩成天又雪、與梅併作十分...
  • 古典落語「竹の水仙」は、江戸時代の名匠・左甚五郎が主人公である。 東海道の神奈川の宿。上方から流れてきた貧しい風体の男が、ある宿屋に泊まった。...
  • 「山の赤松、海辺の黒松」というのは、だいぶ大雑把な言い方かもしれない。いずれにせよ日本人が大好きな松は、一木でも、あるいは群生していても、歌舞伎役...
  • 垣根の垣根の曲がり角。たき火だたき火だ、落ち葉焚き。あたろうか、あたろうよ。北風ぴいぷう吹いている。童謡『たき火』が発表されたのは昭和16年。ラジオ...
  • 楓(カエデ)も紅葉(モミジ)も、植物の分類上は同じものであるらしい。葉の切れ込みが深いものがモミジ。浅いものがカエデであるという。カエデは「カエル...
  • 漢字の「秋桜」を無理やり「コスモス」と読ませるとは、いやはや日本語は、なんと大胆な言語かと思う。日本語の「当て字」は、文字では読まず、イメージで読...
  • 日本語の「キク(菊)」の語源には諸説あるが、漢音からきたジュクあるいはククがもとになっているらしい。興味深いのは漢字のほうで、米を握ったおにぎりの...
  • 彼岸(ひがん)とは、文字だけ見れば「向こう岸」という意味である。彼岸は、日本の季節感を暦のなかにあてはめた雑節(ざっせつ)の一つで、春と秋にあり、...
  • 漢字で「百合」と書いてユリとよむこの花は、どうも語源がよく分からない。ユリは中国語でも「百合」と書く。食用や薬用にもなる「ゆり根」の形が、重なった...
  • 知床の岬にハマナスの咲く頃、思い出しておくれ俺たちのことを。森繫久彌さん作詞作曲による『知床旅情』が世に出て、かれこれ60年になる。ハマナスは晩夏の...
  • 雨意迫り来ぬ睡蓮の池暗く(高浜虚子)明治35年(1902)9月19日、東京根岸の子規庵で、近代短歌と俳句の革新に生涯を捧げた正岡子規が永眠する。満35歳になる...
  • 旧ソ連時代のウクライナで撮影された映画『ひまわり』(1970)が、日本でも再び注目されているという。名作である。オールドファンには、あらすじを申すまで...
  • ドブに落ちても根のある奴は、いつかは蓮(はちす)の花と咲く。懐かしい昭和の時代。お盆と正月に、町の映画館をにぎわせたのが山田洋次監督のシリーズ『男...
  • 昭和の銀幕を飾った大スターの一人、石原裕次郎さんが亡くなったのが1987年。昭和62年の7月17日だった。もう35年前のことになる。今思い返してみても52歳(享...
  • 紫(むらさき)という色を日本人は好む。「むらさき」とは、花が「群れて咲く」様子から生まれた和語である。その白い花の根を染めものに利用したことから、...
  • 梅雨に似合う花も、いくつかある。古刹の境内に咲くアジサイも、水辺に群れるハナショウブもそうだが、すっくと立ちあがった背の高い茎に優美な花を重ねるタ...
  • この棘(とげ)のある植物を「いばら」と呼ぶ。古来それが多い土地であったかどうかは不明だが、関東地方に茨城(いばらき)という県があり、大阪府には茨木...
  • 漢語では「燕子花」と書く。「杜若」の表記もあるが、こちらはカキツバタとは別種の植物らしい。その花が燕の飛ぶ姿に似ていることから、この漢字が当てられ...
  • ふと気がついた。東日本大震災からの復興を支援するチャリティーソングとして、震災翌年の2012年に発表された「花は咲く」という歌がある。リリースされたの...