レジスタントスターチ耐性デンプン)とは、人が食べた食物のうち、小腸では消化されず大腸まで届くデンプン、およびデンプン分解物の総称です。

「難消化性デンプン」とも呼ばれるレジスタントスターチは、炭水化物を含む天然食品のなかに存在します。

大半のデンプンは消化酵素によって分解され、単糖類(グルコース)に変換されて小腸で吸収されます。

これに対してレジスタントスターチは、小腸での酵素分解に抵抗し、細菌によって大腸まで運ばれて短鎖脂肪酸に変換される物質です。この短鎖脂肪酸は、腸内を悪玉菌が活動しにくい弱酸性に維持する効果があるため、善玉菌が育ちやすい環境になるのです。

これらの脂肪酸のうち、吸収されてエネルギーになる割合は、ごくわずかです。しかも摂取してから時間をかけて体に吸収されるため、満腹感が持続する特性ももっています。

つまりレジスタントスターチは、「満腹になるが熱量(カロリー)として吸収されにくい」という、ダイエット肥満改善を目指す人にとって、まさに「理想的な性質」をもつ食物なのです。

レジスタントスターチを多く含む代表的な食品は、雑穀や豆類、長芋などです。

こうした食材を利用して、病中病後の食事療法はもちろん、日常の健康維持にも大いに役立てたいものです。

(翻訳編集・鳥飼聡)