ご注意ください!「朝食を食べない」8つのリスク

朝食は、1日のうちで最も重要な食事です。
昨晩の夕食から今日の朝まで、10数時間の間に胃腸内の食物は、すでに消化されています。ここで朝食を抜くと、胃酸の過剰分泌による胃腸粘膜が損傷するばかりか、脳の集中力の低下や、食事サイクルの乱れによる肥満などが起こる可能性もあります。
 

「朝食を食べない」はリスクが大きい

台湾の調査によると、19~44歳の国民の34%が朝食を食べていないそうです。13~18歳の発育期の青少年のうち27.5%は、朝食をとらず空腹のまま学校や職場に行っていると言います。

むしろ45歳を過ぎて、年をとるほど人々はきちんと朝食をとる傾向がみられます。
朝食を食べないと、体力も集中力も低下します。

学生は勉強に集中できず、職場でもミスや事故が起きる可能性が高くなるので、ぜひ朝食は毎日とるようにしてください。

現実の問題として、現代人が朝食を食べない理由は山ほどあります。

急いでいるから食べる暇がない。朝は食欲がない。太るのが怖い。誰も準備してくれないから食べない、等々。

しかし、これらは朝食を食べないことのリスクを軽視しているようです。長期にわたり朝食を抜くと、以下のような複数のリスクが確実に高まるのです。

1、胃病
食べ物が胃内で消化されない時間帯が長時間つづくと、胃酸の分泌が過剰になり、長期的には胃炎や胃潰瘍につながりやすくなります。

2、肥満
朝食を食べないと、そのぶん昼食や夕食の時に、必ず多く食べてしまいます。ダイエットのつもりで朝食を抜いても、かえって太ってしまうのです。

日本の力士は、わざと朝食をとらずにトレーニングをし、昼食と夕食を大量に食べることで、あれほど身体を太らせています。

3、集中力の減退
朝食を食べないと、体が午前中に必要な栄養を供給できません。脳細胞は疲労感を感じてしまい、学校でも職場でも集中力がなくなります。

4、脳卒中心筋梗塞
朝食を抜くと血液量が減り、血液の粘度が高くなります。これは脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まることを意味します。高血圧、心疾患、糖尿病などの基礎疾患がある人は、さらにリスクが高くなります。

5、低血糖
とくに糖尿病患者は、朝食をとらないと低血糖になり、昏倒する危険があります。

6、慢性疾患
朝に食物を摂取しないと、体がエネルギーを生み出すために内分泌腺の分泌が活発になり、甲状腺や脳下垂体などの腺体が亢進します。それが体を酸化させて、各種の慢性疾患を発症しやすくします。

7、便秘
通常、朝食後に胃結腸の反射行動が起きて、排便を促します。ところが朝食を食べないことに慣れてしまうと、胃や結腸の反射行動が崩れて便秘になります。

8、胆石
胆石患者の90%以上が、全く朝食をとらないか、朝食をとることが少ないと言われています。
 

では、朝食に何を食べたらいいでしょう?

朝食を食べることは大切ですが、その内容は、相対的に見落とされているようです。
一般的な朝食は、インスタントコーヒー、牛乳、ミルクティー、紅茶または豆乳。それにサンドイッチ、チーズ、大根もち、ビスケット、高脂肪の「油条」という揚げパン、高カロリーの焼きそば、チャーハンなどがありますが、これらの組み合わせは栄養バランスが良い選択とは言えません。

どのようにして良い朝食を選ぶか、海辺や内陸部など地域の特性もありますので、一つだけの正解はありません。

いずれにしても、朝食に必要な栄養素としては炭水化物、タンパク質、脂質、食物繊維、ミネラルビタミンなどで、それらをバランス良く摂取することが大切です。
 

林旭華医師の朝食の原則

私(林旭華)の朝のルーティーンをご参考までに紹介すると、次の通りです。

1、起床後、温水を200cc飲みます。
2、食事の時間は、起床後30分以内が最適です。
3、揚げ物や高カロリーの食べ物、糖分の多い飲み物は避けます。
ただし、運動が十分であれば、タブーを多くする必要はありません。
4、パン、饅頭、麺など、炭水化物を含む穀類を選んでカロリーを供給します。
5、タンパク質、食物繊維との組み合わせが重要です。食物繊維、ミネラル、ビタミンを豊富に含む野菜と果物を選びます。飲み物は牛乳か豆乳にします。それにバナナを1本。

この他に、週3日の朝、私は「がん予防特製ドリンク」をつくって飲んでいます。ニンジンとリンゴを2対1の割合でジュースにして、全脂牛乳500 ccを混ぜたものです。
(文・林旭華/翻訳編集・鳥飼聡)