【大紀元2005年1月24日】中国政府と元中国共産党総書記の趙紫陽氏の家族とで、趙の生前の功績を見直すことで意見が分かれ、葬儀の日取りが決められないでいる。長期の延期による混乱を避けるため、中国共産党は早急な決断を希望している。なぜ党は趙氏の葬式をすぐ行わないのか?アップル・デイリー紙のコメンテーター、張華氏は、共産党内に趙氏に対する多数のシンパがいるとしており、そのため胡錦涛主席は決断を下せないでいるようだ。
海外メディアの多くは、中国共産党内に多数の趙氏のシンパが存在すると報道している。長老級の元高官である万里, 田紀雲, 蘇杏文、胡績偉,また葉劍英、楊尚昆、習仲_xun_、広東省の長であった陶鑄や、陳毅、胡耀邦その他政治家たちの遺族らが趙紫陽氏とその家族に弔辞を送った。イースタン・デイリー紙は喬石、朱鎔基、李瑞環などの前リーダー達は趙氏の葬儀に出席する意志を表明したと伝えた。
中国国務院経済改革研究所の前所長である陳一咨氏は、趙氏の追悼会がニューヨークで開かれた1月21日夜、万里が激怒し、現中国のリーダーを罵ったと話している。また、趙氏とかつて働いてき多くの良心的な党幹部や、80年代の改革によって受益してきた一般市民のなかにも、趙氏に対する「公正な扱い」と追悼式の開催を求める声が強まっている。
アップル・デイリー紙の記事の中で、Zhang氏は中国共産党がそうした流れを恐れて統制を厳しくし、反対者を大掛かりに逮捕し、趙氏を公の場で称えるような活動を禁じていると指摘した。中国政府は群集による大掛かりな運動を阻止することができたとしても、これは明らかに法治制度を犯しており、国家としてのイメージを損なう行為であることは間違いない。しかし、中国政府にとって最も難しい要因は、党内の、特に中南海で発生している不穏な空気である。それが大きな群集運動に発展する可能性もある。4月5日の天安門事件や、6・4事件などもこのような状況のなかで起きたのである。
張華氏は更に、このような長老級の元高官たちは自分たちと自分の家族の安全のため、党中央に直接反対の立場をとることはないが、彼らは明確に趙紫陽氏を元トップとして扱うように、という率直で公正なメッセージを送っているとも述べている。彼らは党中央の中の様々なグループのリーダー的存在であり、趙氏のシンパとして大きな勢力となっている。しかしながら、これら勢力は大きな抵抗を見せておらず、従って政府の現リーダーたちは怒りを押さえ、趙氏の家族にもいい顔を見せるしかないのである。
それと同時に、胡錦涛主席と温家宝は、誠実で、現実的かつ人間的な対応が迫られる側面がある。もし趙氏家族に葬儀を行わせれば、彼らが末席に座らなければならない。長老級の元高官のほとんどは、胡錦涛主席と温家宝の強力な支持者だが、無視することはできない存在だからだ。
張氏は「胡錦涛は2つの選択肢がある」と主張する。つまり、6・4事件で利益を得た江沢民とその徒党たちにおもねり、趙氏家族の願いや元高官たちの思いを却下するか、歴史的な事件を見直し、勇気と誠実さを兼ね備えた本当の高官である趙紫陽氏を公正に扱うかのどちらかである。