【大紀元日本8月28日】国際政治評論家・林保華氏は最近論説を発表し、「中国主導で8月18日から25日に行われた中露合同軍事演習は日本を真の目標にしている。合同軍事演習を通じ、中国共産党は矛先を日本に向け、中国人の民族感情をさらに煽ると同時に、台湾問題および領土問題とエネルギー問題で日本に圧力を掛け、日本と安保条約を結ぶアメリカにも警告を発している」と指摘した。
同氏の分析の概要は次のとおり。
今回の合同軍事演習は2002年8月の初期計画から今年8月の実施まで、日時と場所が3回も変更された。変更履歴、また最終決定の時期と場所から考えると、目標は日本であるという。その理由は時期と場所がともに日本にとって敏感であるからである。
合同軍事演習の実施日を見ると、初期の2002年から2005年まで延期され、8、9、10月の中から8月が選ばれ、正式演習は8月18日開始だが、その予行演習が15日に実施された。この日は日本の敗戦60周年の記念日であるため、中国共産党が抗日勝利60周年を祝う盛大なイベント活動の重要部分となっている。
演習場所である山東半島は、第1次世界大戦前はドイツの勢力範囲だったが、戦争終了後、日本がドイツに代わって統治し、有名な「五四青年運動」がこの地で勃発した。今回の軍事演習でロシア軍がここに上陸することから、日本に代わって極東におけるプレゼンスを誇示する意図が明らかである。
現在、台米日の安全保障は一体化している。中露合同軍事演習により、中国共産党の脅威に立ち向かう決心がこれら三カ国においていっそう強くなることはもちろん、同時にアジアと他の世界各国の警戒心を起こし、アジア太平洋地域の平和維持に努力するようになるであろう。
ロシアにとっては、米国に対する若干の不満を表明するほかに、軍事演習の費用が全て中国負担であること、しかも演習を通じて無料で武器のデモンストレーション、すなわち宣伝ができることが魅力である。
中国にとっては
(1) 日本を目標とすることが最も民族主義を扇動しやすい。
(2) 日本が台湾を支持することに対する警告
(3) 日本との交戦は避けられないという世論形成
(4) 領土問題、エネルギー資源問題で日本に譲歩させるため
(5) 日本を支持する勢力、とくにアメリカに警告するため
という事情がある。