【大紀元日本9月5日】中央社の報道によると、在上海米商工会議所及び在中国米商工会議所は1日、上海において本年度の白書「中国に於ける米企業」(以下「白書」)で、過去1年間の中国政府によるWTO加盟条件の履行状況を検証し、一部の重要業種について、法律による新たな制限の創設または不作為等の形で、WTO(世界貿易機関)加盟条件の不履行がみられる事実を指摘している。
白書では、中国は昨年の11月11日までに外資企業による商事取引及び流通・販売の自由を保障することを期待されていたが、今日まで関連法令は整備されておらず、または充分に執行されていない。
また中国の建設業に関する新法は、外国建設会社の中国市場参入を妨害していると指摘した。さらに、外資系企業の活動に影響を与える関連諸法令及び手続きの透明度の低さを指摘している。
以上に加え、中国においては、法令は関連業界から全く意見聴取することなく、もしくは少数の意見を聴取するのみで直ちに施行されるが、こうした実務はWTOの規定に違反すると批判している。
長きにわたり、多くの米国企業は、中国国内の顧客向け商品の自由な輸入、流通、卸売り、小売りなどを重要課題としてきたという。
既に中国へ投資しているか、あるいは投資を検討している米国企業、または製品を輸出しようとしている米国企業にとって、自由な流通・販売権の確保は中国市場へ進出する肝心な要素の一つといえる。しかし、白書では、流通・販売権の自由化の過程が非常に遅く、さらに、不透明または行き過ぎた制限を置く法令が存在する事実に対して、遺憾の意を強調している。
(上海=中央社記者・郭玫蘭)