【大紀元日本9月17日】中共の生存歴史において、米国は三度も特別な救済役を果たしたことがあった。
一回目は、1945年日本が投降の後。国民党と内戦中、中共軍隊は国民政府軍隊と比べると、人数、兵器装備、士気と戦争経験は国民政府軍と遥かにギャップがあり、頻繁に国民政府軍に負けていたが、肝心な時期に、米国マーシャル将軍は、国民政府に巨大な圧力を掛け、停戦に導いた。更に1948年米国は国民政府への支援をやめ、直接中華民国の大陸での敗退をもたらし、共産党を舞台に上がらせた。
2回目は、1972年ニクソンの訪中だった。中共は六十年代の人為による食料災害から回復しないまま文化大革命を起し、社会と経済の混乱をもたらした。内部では林彪の亡命に象徴されるように毛沢東への不満が増大し、外交上、中共は四面楚歌、ソ連とアメリカ両方から敵にされていた。そうした中、1972年ニクソン大統領が中国を訪問、中共と共同声明に署名し、中共を外交上の苦しい境地から解放した。
3回目は、70年代末_deng_小平をバックアップしたことだった。経済の崩壊と政治上の混乱に瀕したほか、意識形態も崩壊の寸前、79年_deng_小平が副総理と中共副主席の身元で米国を訪問したが、米国から国家元首の待遇を受けたことで、中共内部で新しい権威を立てた。同時期の改革開放政策も、米国が代表した西側集団に全力に支持され、経済の好転により中共は再び政権の危機から逃れた。
今度の胡錦濤氏の米国訪問は、中共生存の歴史において4回目の救命ブイを米国から手に入れることが目的である。
長い間に積み重ねられた社会の衝突が激しくなり、「九評共産党」の登場とそれが引き起こした民衆の脱党ブームなど含めて、胡錦濤は、これまでにない中共政権の危機に面している。重大な岐路に立たされた胡は、再び中共が面する危機を乗り越えようと6月前から米国と、ホワイトハウス訪問の計画を相談し始め、赤い絨毯の高待遇、礼砲、ホワイトハウスでの宴会、中米共同声明、議会演説などの体面工作を通して、世界に米国から胡氏への全力支持のイメージを与えるのが目的。
しかし、胡錦濤・中国国家主席の今回の訪米は、中共が国賓待遇を切望していたのに対し、米国が非「国賓訪問」と発表、さらにハリケーン「カトリーナ」による胡氏の訪米旅の延期、最後にブッシュ大統領がホワイトハウスでの会談キャンセルを発表、完全な失敗に陥った。サバイバル危機を乗り越えるために中共が半年もかかって企画した今度の中米関係のヘビー級の切り札は、結局中共の期待に沿えず、だめになってしまった。
日本語の「三度目の正直」という言葉に対応するものとして、中国語には「事は3度過ぎない」という諺がある。三度失敗しても、四度目で物事を正す。中米関係が中共政権の歴史において果たした3回の救済役、そして、今回の胡氏の訪米旅の失敗は、「四度目の正直」と言えるのではないか。