人民元:切り上げ情報漏洩で不正取引、温総理激怒

2005/10/07 更新: 2005/10/07

【大紀元日本10月7日】中国政府は本年7月21日、人民元の為替相場制度を通貨バスケット制に移行し、21日から2%を切り上げ、1ドル=8.11元にすることを正式に発表した。しかし、人民元の切り上げに絡んで、中国共産党高層部で重大な極秘情報が漏洩し、このインサイダー情報により為替取引で巨額の利益を得た不正取引事件が発覚したことから、温家宝総理がこれを知り激怒したという情報が、最近中国国内のインターネットでリークされた。

情報によると、7月21日午後6時30分の正式発表の直前、午後4時15分から同5時45分の間に、228億ドルが人民元に両替され、関係者らはわずか90分間で、37億人民元(日本円で約518億円)の差額利益を得たという。

この関係者は主に中国政府の高官たちと、高官らと緊密な利害関係にある財界人であるという。

発表当日午後4時に緊急国務会議が召集されたという。会議に先立ち、温家宝総理は▽.会議中に外部との連絡を一切禁止する▽会議が終了する午後6時まで、会議室の出入りを禁止する、などの注意事項を知らせたという。その席で温家宝総理が人民元切り上げの決定や、詳細な公表計画を発表した。午後6時15分に中国人民銀行(中央銀行)を通じて全国の各金融機関に通知、午後6時30分に中央テレビ局の放送で全世界に公表、午後7時から新しい為替体制が始動、というスケジュールだった。

しかし、会議開始直後の午後4時15分から午後5時45分の間に、228億ドルが人民元に両替されたことが後の調べで分かった。両替は北京、上海、広州、天津など13の大都市に集中しているという。

同日夜、この出来事は温家宝総理に報告され、温総理は激怒し、真相の解明を命じてドルから人民元の両替された時間帯で生じた利益が即時凍結され、命令違反者に対して法的責任を追及するとの指示を出した。国務院や中国人民銀行、銀行監視委員会、監察部の関係者で構成された調査チームは事実の調査に乗り出したという。

今回の漏洩事件により、政府内の高層部と金融界との深刻な癒着が浮き彫りとなった。

関係者によると、「今回の漏洩事件の調査は非常に簡単。関わった人物が限られているため、疑惑の時間帯の固定電話通信記録を調べれば、すべてが明らかになるはず」だが、調査は遅々として進まないとされていることから、中国共産党が抱える内部体制の腐敗の深刻さが伺える。

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