【大紀元日本10月9日】原因不明の呼吸器系疾患がトロントの老人施設で発生し、14日間で88人に感染、17人が死亡した事件で、原因はレジオネラ肺炎だということが明らかになった。
10月6日午後、トロントのデビッド・ミラー市長、市衛生局責任者のデビッド・マッキューン医師およびカナダ公共健康実験センターのドナルド・ロウ主任が共同で記者会見を開き、肺の組織を検査した結果、8人の死者のうち2人がレジオネラ菌陽性を示したため、セブン・オークス老人施設で発生した原因不明の呼吸器感染症は、レジオネラ肺炎(別名:在郷軍人病)と診断されたことを発表した。
デビッド医師の説明によると、レジオネラ肺炎はまれで、レジオネラは自然界に生存しており、水の中で検出されやすく、給湯システムや大型排水システムおよび空調システムの中で迅速に繁殖することができるという。人間は肺にレジオネラ菌を含む水滴が吸入されたときにだけ発病する。
レジオネラ肺炎の病状は、他の肺炎とよく似ている。主に高熱、悪寒、咳、筋肉痛、頭痛などの症状が現れる。潜伏期間は通常2~14日間、抗生物質はレジオネラ菌に効果があり、体力のある人は回復しやすいが、高齢者の場合死亡率はかなり高いという。日本では1979年から全国的に発生、最近では2002年に宮崎県と鹿児島県の入浴施設で死亡者を出す集団感染が確認された。
診断の確定が遅れた原因について、公共健康実験センターのドナルド・ロウ主任は次のように説明した。「実験センターではレジオネラ菌の培養成功率が非常に低く、患者の尿検査に抗体陰性を示したため、診断を確定するのに13日間かかった」。
トロントのデビッド・ミラー市長は、「この病気は恐ろしいように聞こえるが、人から人への感染はなく、セブン・オークス老人施設の感染はすでに制圧され、現在新たな症例も発生していない」と強調した。
現在、セブン・オークス老人施設は、市政府職員の監視下に置かれており、施設の出入りは依然として禁じられている。
セブン・オークス老人施設(大紀元)