【大紀元日本11月19日】中国共産党は18日、北京・人民大会堂で、1987年の民主化運動の中で批判され失脚した中国共産党の改革派指導者・故胡耀邦元総書記の生誕90年を記念する式典を開いた。記念式典を提案した胡錦涛総書記は出席せず、当初2000人の出席とされたが、350人に減少、陜西、江西、湖南などの地域で同時に行う予定だった記念活動も停止となった。式典規模の降級から、中共高層闘争の激烈が見られ、胡錦涛派を支持する「中国青年報」の17日の報道では、胡(錦涛)温(家宝)の政治命令が中南海の中で留められ外へ伝わらず、中央政府の権威が危機に曝されているという。
胡耀邦の政治改革の試みは、1989年の天安門事件の導火線となったため、それ以降、彼に関する全ての記念活動が厳しく禁止され、その死後16年間、いかなる記念活動も再評価の動きもなかった。関係報道によると、今回の式典は胡錦涛総書記により提案され、当時政治局常務委員会7人のうち4人に反対されたが、最後には、胡錦涛主席は反対意見を抑え、記念活動を開催すると決定した。
記念活動を通じて、胡錦濤総書記は求心力を高めたいと見られているが、狙いは日増しに拡大する社会問題の緩和、胡錦濤自身に対する強硬なイメージの改善、かつて胡耀邦氏を最も支持していた共産党青年団の支持の獲得にあるという。
しかし、胡錦濤主席が式典でスピーチすると予定されたていたが、その後、温家宝総理の出席に変更、最後は呉官正・党中央規律検査委員会書記に変わったという。規模も2000人から300人まで縮小された。
反対勢力が強いため、陜西、江西、湖南などの地域で同時に行う予定だった記念活動も中止された。理由は、地方官員が中共高層闘争に巻き込まれるのを恐れたためと言われている。
さらに、胡耀邦氏の友人であり、中共の改革派と見なされた、毛沢東の前秘書・李鋭氏なども胡耀邦氏についての言論を公に発表しないようと要求され、親戚も最近低調な姿勢を見せ、外出も少なくなったという。
当局は自由派のインテリ層の参加を禁止した。ロイター通信の報道によると、参加禁止者の名簿には、毛沢東の前秘書・李鋭氏のほか、元人民日報編集長・胡績偉氏、元中央宣伝部部長・朱厚澤氏及び退職したマルクス理論家・于光遠氏もリストされたという。本人らに確認したところ、確かに記念式典の招待状が届いてないことが明らかになった。
1977年から82年の間に胡耀邦の助手であった阮銘氏(台湾在住)がVOAの報道の取材で、中共当局による今回の胡耀邦氏記念活動は全くの偽りであるとコメントした。民主理念を常に主張した胡耀邦氏の記念を通して、民主と自由を強く望んでいる民衆をだますのが狙いだいう。
官製の「中国青年報」が17日の報道で、元教育部・張保慶副部長の話を引用して、現在の最大問題は政治指令が伝えられず、中央政府によって決められた指令が中南海から外部に伝えられていないと指摘した。胡総書記の指令は中南海から外へ伝えられないことは、中央の権威が危機を直面していることを証明していると認めた。