【大紀元日本11月29日】21日国連特使ノーワック氏が中国当局の拷問虐待問題を調査するために中国に入り、12日間の調査に乗り出した。中国滞在中に同氏は刑務所などの拘留施設に訪れ、中国法曹界専門家らとも意見を交わす。しかし、中国法曹界専門家は、国連特使がこの調査で真実の情報を得ることに悲観的な見解を示している。ノーワック氏はすでに北京とチベットの現地調査を終了し、29日から新疆ウィグル自治区に入る。米国VOAが報道した。
中国共産党は、法輪功学習者やキリスト教の地下教会の聖職者らに対し、高圧電気ショック、高温焼けど、長時間の宙吊り拷問、つめに釘を打ち込む、精神薬物の注射、生殖器を傷つける性的拷問などの数多くの拷問を実施することをたびたび国際社会に暴露されていた。民間調査によると、すでに2700人以上の法輪功学習者はこうした拷問で殺されたという。
今回の拷問虐待問題の調査に当たり、国連人権委員会スポークスマンのディアス氏によると、中国当局はノーワック氏が自由に訪問場所と人物を選べると保証したという。
北京の人権弁護士・高智晟氏は、中国共産党による拷問虐待問題が国連に関心されていることに安堵の気持ちを表しながらも、国連がこのような訪問調査で中国刑務所に隠されている真実状況を把握することは不可能だと悲観的な論点を示した。
今回国連大使ノーワック氏と接触した高氏は、当時、自分が中国当局に見張られていたため、伝えたいことも結局全部は言えなかったと無念さを顕にした。「私のような中国人すら、真相を知ることが許されていないのに、ごまかすのが得意な中国共産党は素直に国連特使に内情を公開すると思いますか。私の知る限りでは、国連特使が会うべき被害者らはみな目の届かない場所に監視・監禁されている」と告げ、依頼人の1人は、娘が7年前に刑務所で拷問を受け死亡した、実情を訴える母親の口を封じるために、中国当局はすでに彼女を6日間監視し続けたと明かした。
北京の弁護士・莫少平氏も「中国刑法において被告や犯罪容疑者が有するべき黙秘権が定められていないことや、犯罪摘発手段の技術的な遅れ、一部の司法関係者の資質がかなり低いなどの原因で、拷問や虐待は日常的に行われている」と指摘した。
国連特使ノーワック氏は12月2日に調査の最終結果をメディアに公開する予定。