【大紀元日本12月10日】欧州歴訪していたライス米国務長官は7日、ウクライナ首都キエフで、ロシアの国内NGOの活動を制限する法案について強い懸念を表明した。米国当局は、この法案がロシアの民主化を後退させると深刻にみている。VOAが伝えた。
この法案は12月初めの審議でロシア議会で通過、ロシアのNGO組織に外国の資金が注入されることを制限し、外国の人権組織および国際NGOがロシア国内で法人資格の取得を難しくするもの。法制化するには、さらに審議を重ねプーチン大統領の署名が必要だが、実現するとロシア当局は疑わしい国内NGO組織を統制することができるようになる。
ライス長官はウクライナのユーシェンコ大統領と共同で記者会見を開いた際、今回の声明を発表。米国当局は以前からこの草案には不安を抱いていた。米国側はプーチン大統領とロシア当局にかつてない調子で直接譴責、法案の修正を求めた。
「私はロシア当局と協議して国内NGO組織の重要性について訴えた。民主主義は選挙と法治、言論の自由等によって成立するが、一方NGO組織のようにその活動が政府の方向性に影響を与える存在にも留意しなければならない…ウクライナではこのような市民活動が活発なため米国は安心している」と長官は述べた。
米国使節団の一人、ニコラス・バーンズ国務次官は先週、モスクワ当局と非公式の会談でこの問題に言及した。プーチン大統領から法案修正の回答を受けたという。しかしながら、ロシアには現在、報道統制など民主後退の風潮があり実現は難しいという。さらにロシア国内にはテロと不正資金浄化の問題があり、法案可決の追い風となっている。