米政府、偽米ドル製造で、北朝鮮に金融制裁

2006/01/11 更新: 2006/01/11

【大紀元日本1月11日】米財政部はこのほど、北朝鮮当局が偽米ドルを製造し流通した違法行為を指摘し、北朝鮮企業の一部に対して制裁を行った。また、長期にわたり北朝鮮のためにマネー・ロンダリングや流通させた中国マカオ匯業銀行に対しても譴責した。北朝鮮金正日総書記はマネー・ロンダリングや偽米ドルの難局を打開するために10日、極秘訪中したとみられている。

米政府証拠を公開、北朝鮮に金融制裁実施

米財政部は当局のホームページで、米議会調査局の調査結果およびメディア報道内容をまとめたものを官報に公開した。

ここ数年間、中国および北朝鮮と経済関係を持つ国家で偽米ドルが多く発見された。駐韓ベルシュボ米大使は、米政府は北朝鮮が偽米ドルを製造している十分な証拠を持っていることを明らかにした。米政府は中国系銀行が北朝鮮のためにマネー・ロンダリングを行っているとみて、すでに極秘調査を開始したという。

北朝鮮とその関連企業は犯罪に多数関与

公開した情報によると、北朝鮮政権とその関連企業は麻薬ドラッグの密輸販売、偽米ドル、その他の偽札製造を含む多数の犯罪に関与していると指摘し、それによって獲得した利益は推定年間5億米ドルで、うち麻薬・ドラッグは1~2億米ドルとしている。

公開した情報によれば、1990年以降、北朝鮮は20数カ国における50数件の麻薬・ドラッグ密輸販売事件に関与し、多くの北朝鮮外交官および政府職員が逮捕または拘留されたと示した。

米政府は昨年10月に、北朝鮮の偽米ドル製造および流通に関与したアイルランド労働党ショーン・カランなど7人に対して起訴した。起訴文では、偽米百ドル札は北朝鮮民主主義共和国の保護下で製造され、事件に関与する者は外交官を含む北朝鮮人であるとし、彼らは外交の身分を利用して世界各国で偽札の輸送および流通販売を行ったとしている。

米政府、制裁に徹する

ライス米国務長官は5日、駐米韓国務省の記者のインタビューに対して、対北朝鮮の制裁は北朝鮮が違法行為を行ったからであるとし、米政府は偽札問題で妥協はしないと言明した。

関連特集: