ワシントン・ポスト紙、スーダンのジェノサイドにおける中共の幇助を報道

2006/03/30 更新: 2006/03/30

【大紀元日本3月30日】ワシントン・タイムズ紙は27日、米国工商委員会の国家安全研究の高級研究員ウイリアム・ホーキンズ (Wi lliam Hawkins)氏の評論文を掲載した。ホーキンズ氏は文章の中で、欧米諸国は中国への貿易と投資を増やすことが中国の自由主義を発展させると考え、中国経済の発展を推進したが、その結果、中共政権の一党専制の合理化に利用されたに過ぎないと分析、スーダン政府のダルフール地区でのジェノサイド犯罪において、中共政権の介入は明らかに「強いマイナスの力」であると指摘、米国政府はこのような中共政権を放任し続けると、中共が関与するあらゆる国際問題の解決は不可能だと警鐘を鳴らした。

ホーキンズ氏は3月11日に米国のライス国務長官との談話に言及、中共政権は軍事力と経済の増強により、アジア太平洋地区の「マイナスの力」になる可能性があるというライス長官の警告を引用した。国務省が毎年公表する国家人権報告書では、中共政権は昨年、自国民への弾圧をさらに強めたと指摘した。

評論文によると、過去十数年間、西側社会は「欧米諸国による貿易と投資の増加は中国の自由主義を促進する」と楽観的に予測したが、これは間違いであると実際に証明された。米国の対中貿易赤字は2005年、2010億ドルに達したが、この莫大な経済利益は中共政権が独裁を合理化する道具となっているに過ぎない。一つの例として、スーダン政府のダルフールでのジェノサイド犯罪に関して、中共政権の介入は明らかに強い「マイナスの力」を与えていた。

中共政権は1960年代からアフリカへの浸透を図り始め、「反帝国主義(反欧米国家)」の政策を掲げ、アフリカの暴力政権団体を支持してきた。中共政権とスーダン政府の関係は石油供給に絡んで発展し続け、1990年代になると、益々緊密化になった。中共はスーダンで約100億ドルを投資した。中共の国営企業・国家石油公司(CNPC)はスーダンのダイナイル石油操作社(GNPOC)の最大の株主で、約40%の株を所有している。そのほかでは、中共の国営企業・石油工程建築公司(CPEC)はスーダンでGNPOCと紅海をつなぐ石油パイプラインを建設し。さらにスーダンの首都ハルツームの近郊で大型製油工場を建てた。

中国のCNPCは、スーダンのダルフール地区で大半の油田を占め、さらにメルト盆地油田の41%を保有している。もう1つの中共国営企業・中国石化集団(SINOPEC)は現在、紅海のスーダン港に通じるパイプラインを建設している。一方、中共のCPECは同じくスーダン港でタンカーのターミナルを建設している。スーダンの石油輸出の70%は中国に、同国の石油輸入の10%を占めている。石油と交換に、中共政権はスーダン政府に武器と外交支持を提供し、これまでスーダンに戦車、銃、ヘリコプター、および戦闘機などを供給した。見積りによると、スーダンの石油収入の80%は武器購入に当てているが、国民の生活は非常に貧困だ。

中共政権はさらにスーダン政府の小型武器と弾薬の生産工場の建設に参加し、事実上同政府によるジェノサイド犯罪を幇助した。中国製の軍事ヘリコプターは、中共の国営企業が管理する飛行場で管理されているという。

スーダンでは、2003年に再び内戦が勃発した。20万人以上が政府や、民兵部隊に殺害された。約200万人(ダルフール地区住民の半分に当たる)が、難民キャンプで恐怖の生活を続いている。

メディア報道によると、スーダンに駐在する中共の保安部隊は、油田の安全を守るに留まらず、スーダン政府軍と兇悪なアラブ系民兵組織の攻撃軍事活動を積極的に支援し、石油貯蔵が豊富の南部のアフリカ系住民への虐殺に参加している可能性があるという。

米国のライス国務長官は2月16日、下院の国際関係委員会に、ダルフールでのジェノサイド犯罪は継続していると指摘し、2004年スーダンを訪問する際に自分の目で見たという。しかし、ブッシュ政権は中共とスーダンを結びつけることを避けてきた。

中共の軍指導部の高官・梁光烈氏は昨年7月、スーダン人・アブダラ氏に対し、スーダン政府による人権と政治支持を感謝するとともに、政治や経済、文化などの分野での双方の協力を確認し、緊密な関係を継続することを表明した。

そして去年9月に国連安保理は1564号決議を可決した。この決議案ではスーダン政府に対して、ダルフール地区での暴力行為の中止を要求し、従わない場合、石油制裁を下すと定めた。しかし中共政権はこの制裁行動を強く反対するため、結局この決議案が廃案になった。

そのためジェノサイド地区の情勢はこれからさらに悪化する見通し。難民キャンプへの国際食糧支援が夏になると、厳重に不足する。アフリカ連合平和維持計画も行き詰まり、 その部隊は、中共支援下のスーダン政府軍と凶悪の民兵武装組織とまったく対抗できない。国連による平和維持部隊派遣の提案も、中共政権が反対すれば、実現できないはず。

スーダンのダルフール地区での悲劇は、米国防省の年度報告書での中共軍事力に対する評価を実証した。米国政府はこのような中共政権を放任し続ければ、中共が関与するあらゆる国際問題を解決するのは不可能だ。

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