陳弘シェン氏講演:このような過失は、絶対に繰り返してはならない

2006/04/06 更新: 2006/04/06

【大紀元日本4月6日】「過ちは繰り返しません」。これは日本の広島原爆記念碑に刻まれた言葉である。この言葉は人々に戦争の悲惨さを訴え、暴力と邪悪から遠ざかるよう警告している。

一、 流血の歴史

第2次世界大戦は5500万に上る人々を殺戮に駆り立て、多くの人が銃弾の下で惨死した。日本の広島に投下された原爆は、一瞬にして7万人の命を奪った。更に7万人が原爆の後遺症に苦しみ、亡くなった。広島に投下された原子爆弾は、戦局を大きく変え、第2次世界大戦は終結に向かったが、その後四半世紀に渡って、西側国家は再び別の形で世界大戦を経験することになる。それはつまり、全世界で出現した20余りの社会主義、独裁政権との戦いである。

第2次世界大戦の後期、連合国はヒトラーを打ち破るために、スターリン政権を引き入れ、ソ連に物資の支援を行った。スターリン政権はヒトラーより更に悪く、強く、宣伝で敵をたぶらかすことに長けていたが、同政権を強大化させたのは連合軍だった。その結果、戦後1970年代に至るまで、第2次世界大戦で傷ついたヨーロッパ諸国とひたすら自国を強大化することに集中した米国は、自由と民主の価値を見守ることを放棄し、その結果、全世界で20余りの共産政権が誕生した。すなわち、ソ連、ポーランド、東ドイツ、ユーゴスラビア、ルーマニア、キューバ、北朝鮮、ベトナム、カンボジア、ラオスなどである。これら共産圏の圧政から逃れて自由社会に身を寄せるため、命を落とした人の数は、概算で2400万人にも上る。更に、専制国家の中国では、8000万人もの人々が冤罪で死亡した。20数年間で、オーストラリア人口の4倍半に相当する人々が飢え、迫害などにより死亡したのである。

ウクライナでは、1932年に大飢饉が起こり、600万人が死亡した。中国の大凶作では、4000万人が餓死した。カンボジアでは1975年から1979年までの間、200万人以上が殺害された。月あたり5万人以上が殺されたことになる。恐怖政治を敷いたスターリン政権は、1937年から1938年までの間、月あたり4万人を処刑した。中国では1950年から1977年までの間、月あたり約25万人が命を落とした。その規模は、毎月一回インドネシアの大津波が発生するに等しい……

二、 共産主義政党の野望

約100年前、ヨーロッパの共産主義政党は「私たちは鉄と血でヨーロッパ各大帝国の指導者を征服し、彼らをひざまずかせて、彼らの誇りと権威を失墜させる」と言った。しかし、彼らの野望は実現しなかった。東ヨーロッパの社会主義陣営はすでに徹底的に解体され、アジアの共産専制政権も名ばかりで実質がなく、滅亡に向かっている。一方、中共だけは依然としてその生命を維持し、多くの西洋諸国は中国を重要な貿易パートナーとして丁重に扱っている。西洋民主国家の指導者たちは彼らの祖先が認めた自由民主の普遍的価値を失い、人権と尊厳を堅持するよりも、中国との貿易で得る利益に魅せられてしまった。 明らかに、東ヨーロッパの一部の共産政権が残した悲劇は世の人々に如何なる教訓も残さなかったようだ。

三、 日中の歴史

中国の商務部長・薄煕来は日本経済産業大臣・二階俊博との会談で、中日関係が悪化したのは、日本の指導者が靖国神社を参拝し、中国人民の感情をひどく傷つけたからであると語った。

ここ数年来、中共の指導者は絶えず日本の歴史教科書改定について抗議し、世界反ナチス60周年の時は、歴史を歪曲し、抗日戦争の中での死亡人数を誇張するなど、強烈な反日と民族情緒を煽り立てた。

そこで、私達は聞きたい。1972年に中日国交が再び正常化された時、教科書には日本が中国を侵略したとはっきり書いたか?日本の首相は靖国神社への参拝を取り消したか?

実際中共自身が殺害した中国人は、日本が当時殺害した中国人より遥かに多い。抗日戦争時は大体1200万人が死亡した。一方、中共が殺害した同胞は8000万人にも上る。1972年9月、日本の首相は北京を訪問し、中日両国政府は「中日連合声明」に署名して、所謂中日国交正常化を実現した。実際日本にとっては何のメリットもなく、一方、中国にとっては権益の策である。当時中国の経済はほとんど麻痺状態にあり、日本との貿易を足掛かりに、中国は落ち込んだ国民経済を回復しようと目論んだ。また、日本と国交を回復することで、世界各国とのつながりも生まれ、多くの手を借りながら、手のつけようもない程混乱した中国を支えようとしたのである。

30年後、中日貿易の年平均総額が800億米ドルに達すると、中共の指導者は大量の中日貿易を停止させ、強烈な反日感情を煽り立てた。

四、 西洋社会の誤算

今日、オーストラリアは再び同じ過ちを繰り返そうとしている。すなわち、オーストラリアの中共に対する盲信である。中共と同盟を結ぶことは、即ち中共に降服すること、悪魔と同盟を結ぶことだ。中共はいつか必ず、オーストラリアのエネルギーと材料で製造した武器でオーストラリア人をあしらうだろう。オーストラリア政府が、それを認識してないことは非常に残念だ。

中共はここ数年、中華文化の輸出も行ってきた。彼らは百万米ドルを費やして、米国で「同じ唄」の演出を行い、500名に上る中国大陸文化団体を引き連れて、シドニー地区の華人の新春歓迎パレードに参加した。パレードのスローガンには「同じ世界、同じ夢」と書かれ、道路では血色の中国の国旗を配っていた。彼らは世界に向かって、世界を真っ赤にさせたいと揚言しており、彼らのあの赤い世界の夢は実はすでに私たちにとても近づいている。

米国の四大ネット企業が中国でビジネスを展開するために、中共に絶えず妥協してきたことは記憶に新しい。中共は西洋社会が金銭の誘惑に容易く屈服することを見抜き、西洋企業を抑えつけ、米国民にまでその影響を与えようと目論んでいる。中共の内幕を暴いたマスコミ「大紀元時報」を攻撃するため、彼らはその責任者を襲うなどの暴挙に出た。しかし、中国政府が予測してなかったのは、米国「大紀元時報」の技術総監・李淵氏に対する暴行事件は、西洋世界の政治家らを眼覚めさせたことだ。この事件は、中共の経済開放が政治改革をもたらすと希望していた人々の幻想を打ち砕いた。

五、 天象の変化に伴う歴史的な民衆運動

高智晟弁護士が発起した「ハンスト・リレー抗議活動」は、中共が人権活動家を弾圧することに抗議する、一つの民間人が成し遂げた壮挙である。

今回のハンスト抗議活動はその勢いと影響力の大きさにおいて、想像を超えている。これは、89年の天安門事件以降、全世界で最大の維権活動だ。この運動は中共当局の維権人士に対する人身攻撃と迫害、尾行、恐喝、暴力的な殴打などに対する抗議である。この運動は間違いなく、未来の維権運動につながる起点となり、大陸での維権運動の新しい1ページを正式に開いたのだ。

実際、今まで、中国には当局からの暴力に抗議する反対勢力がなかった。ハンスト・リレーは単に一つの手段と過程にすぎない。この過程で、最も大事なのは、ますます多くの人が参加するように導き、マスコミが報道し、多くの国家政府が注目し、人々にハンスト・リレーの背後の要素に注目することだ。この事件の背景を理解したら、すなわち中国大陸全体の現状を理解したことにもなる。

弁護士まで安全に生存する空間もない社会において、普通の庶民に人権と民主の保障があり得るだろうか?従って、今回のハンスト・リレー運動は非常に巨大な作用を働き、とても重要な効果をもたらすと見ている。この運動は民衆を目覚めさせ、自分が住んでいる社会の現状をはっきりと認識させるだろう。同時に、更に多くの海外の良識ある人々にも呼びかけ、彼らが高弁護士および彼の仲間達と共に、中国人の尊厳、人権を守り、中国社会の民主化の過程を推進する運動に参加させる。

ますます多くの人が今回の運動に参与するとき、まさに「九評」が脱党の大波を引き起こしたのと同じく、中共政権に対して巨大な震撼を与えるに違いない。

中共政治界の長老・万里は昨年の「中国年」の時、江沢民に「われわれは現在、改革開放の道が人民にもたらした望みの元手を食べている。殆ど食べ終わったので、今は共産党の財産を売り始めている。6千万の党員があるとしても、大きい嵐に出会えば、散り崩れるのはとても速いだろう」といったことがある。

尉健行は昨年、中央紀律検査委員会上半期の作業総括の会議で「人民はすでに悲観し、失望し、憤怒し始めている。これはわが国、わが党の当面の最大危機である。もしわれわれがまだ枕を高くして寝ているか、或いは経済の急速な成長、喝采の声の中に耽っていれば、一旦危機が爆発すると、国家と人民は大きな災難を被り、最終的に共産党は自らを埋葬することになる」と発言した。

この2人の話は、体制内の中共指導者層の長老たちが見る中国の未来であり、最も要点を突いていると言える。私たちは必ず、共産の暴政に断固として抵抗しなければならない。海外へ輸出する中共のすべての文化と暴力を行き詰まらせ、同時に広範囲に、世界に向けて、早く中国共産党の専制政治を終わらせるよう訴え続けなければならない。

それは、私たちが「このような過失は、絶対繰り返してはならない」ことをはっきり分っているからである。

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