アイヌ民族初の国会議員、萱野茂氏死去

2006/05/08 更新: 2006/05/08

【大紀元日本5月8日】アイヌ民族初の参議院議員となった萱野茂氏が6日、急性肺炎のため亡くなった。享年79歳。

1992年に社会党比例代表候補となったが次点。94年8月の松本英一氏の死去に伴い繰り上げ当選。アイヌ民族初の参議院議員となり、アイヌ人を和人に同化させることを目的とした「北海道旧土人保護法」に替わり、アイヌの人々が持つ民族への誇りが尊重される社会の実現を目指す「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(アイヌ文化振興法)」の成立に貢献した。

中央政界引退後は故郷に設立した二風谷アイヌ文化資料館の館長を勤めながら、執筆活動や、アイヌ語放送を行うミニFM局「FMピパウシ」を開局。アイヌ民族の言語、文化の保全と発展に尽力した。

萱野氏は北海道平取町生まれ。アイヌ語を母語とする萱野氏は1952年のアイヌ民具の収集を手始めに、アイヌの言葉や文化を次の世代に伝える活動を続けた。1960年からはアイヌ語の記録を始め、菊池寛賞を受賞したアイヌ民話集「ウエペケレ集大成」やアイヌ語辞書などを編纂・刊行した。また、アイヌ語のラジオ講座講師なども勤めた。

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