【大紀元日本5月29日】欧州議会の副議長エドワード・スコット氏は27日午前、香港で「中国の未来」国際シンポジウムに出席し、同シンポジウムに参加した香港の民主派立法会議員数人と共同声明を発表、公民権利および政治権利に関する国際公約の実行を中共政権に要求、中国での民主、法治、公平な選挙および報道の自由の実現を促した。同氏は、今月21日から24日、北京で中国の人権実情に関して調査を行った。
スコット副議長は、北京での調査を紹介、「臓器狩り」と法輪功学習者に対する迫害を非難、2008年北京オリンピック開催資格の取消しを呼びかけた。同氏によると、中国の人権状況および民主化の進展状況を調査するため、欧州連合の外交官、中国の非政府組織代表らとも面会した。法輪功学習者二人とも面会したが、その二人は現在行方不明となり、面会を斡旋した米国人も中共当局に強制退去させられたという。同氏は、帰国後に必ず駐欧州連合の中共大使に、同件の調査を要求し、2人の身の安全を確保すると強調した。
同副議長は、中共政権はまったく変っておらず、依然に「凶暴残忍で、勝手気ままのデタラメをくり返している偏屈で変態な体系」であると批判、中国には本当の公民社会はなく、すべての非政府組織は事実上、政府側が主導していると指摘した。また、中国大陸の脱党運動を強く支持し、すべての中共党員が共産党からの離脱を望むとした。
「共産主義のない中国と世界」をテーマにした同シンポジウムは、香港大紀元時が主催。ヨーロッパやアジア、米国などからの政治家、民主活動家、学者など一堂に会し、中国の現状を分析、中国の未来の発展についての展望や期待を発表した。駐香港・ミャンマー総領事のイェ・ミンアン氏、香港立法会の劉慧卿議員、香港人権監察代表、香港民主活動家、深セン市民、コンゴ人、インド人、香港市民百人以上が来場した。
スコット副議長のほか、香港市民支援愛国民主運動連合会の司徒華・主席、台湾対中投資被害者協会の高為邦・理事長、台湾「上海同徳堂」漢方医師・胡乃文氏、米ワシントンDC大紀元時報・聶森社長が講演を行った。
講演者らは、中国大陸で1千万人の脱党が中共の残虐な統治終結をもたらす意義について語った。その他、中共が法輪功学習者を対象にした「臓器狩り」の悪行に対する懲罰として、2008年北京オリンピック開催資格の取消しを要求した。民主発展、人権問題の改善などの問題は中東アラビア国家、旧東ヨーロッパ各共産主義国家に当てた焦点を中国へ転換するなどの講演内容で会場を盛り上げた。
香港市民支援愛国民主運動連合会の主席で、前香港立法会議員の司徒華氏は、「民主中国を建設」の題で演説を行った。司徒氏は、「中国の人口は世界人口の5分の1を占めており、13億人が民主、自由、人権、法治の下に生活が実現できれば、世界規模の民主、自由、人権、法治の真の勝利が到来する」と語った。
講演者として出席する予定だった北京著名人権派弁護士・高智晟氏は、中国から出国できなかったため、同シンポジウムに、5分間の録音談話を届けた。同氏は、『九評共産党(共産党についての九つの論評)』の発表とその波及は、中国共産党を葬り去らせるためであるとの意見を示した。
また、都合により参加できなかったオーストラリア・ビクトリア省議会のビクター・パートン議員は、民主および自由の重要性を述べ、法輪功の精神運動を含む信仰に対する中共の弾圧を譴責する書簡が会場に届けられた。