オウム真理教の教祖・麻原彰晃被告、今週中にも死刑確定か

2006/06/09 更新: 2006/06/09

【大紀元日本6月9日】11年前東京で起きた地下鉄サリン事件の首謀者で、オウム真理教の教祖・麻原彰晃被告(51)に、今週中に死刑判決が下される見込み。1996年4月の1審初公判から10年の歳月が経過し、当時の事件で12人が死亡、5500人以上が負傷し、多くの人はいまだに重い後遺症に苦しんでいる。

1996年4月に麻原被告への1審初公判が開かれ、2年前に死刑が言い渡されたが、弁護団は「被告と意思疎通が図れず、控訴趣意書が書けない」として、昨年8月末の期限が過ぎても控訴趣意書の提出を拒んでいた。東京高裁は今年5月27日、弁護側が期限内に控訴趣意書を提出していないことを理由に、麻原被告の控訴を棄却すると決定した。須田賢裁判長は決定理由について、被告には訴訟能力があると判断し、公判停止を求めた弁護団の主張を退けた。

それを受け、弁護団は5月30日、松本被告の控訴を棄却した東京高裁の決定を不服として同高裁に異議を申し立てた。

東京高裁の白木勇裁判長は5月29日、弁護団の異議申し立てを棄却するとの決定を下した。それに対し、弁護団は6月5日夜、最高裁に特別抗告すると公表した。最高裁での審理対象は主に憲法判断であり、高裁の決定が覆る可能性は極めて低いとみられる。今回、最高裁が特別抗告を棄却すれば、麻原被告の死刑が最終確定する。

犯罪史上前例のない凶悪事件の首謀者とされた麻原被告の裁判は、控訴審を行わず、被告が真実を語らないままで、2年前の1審の死刑判決が確定する可能性が高くなった。

夫を地下鉄サリン事件で亡くした高橋静江さんは、麻原彰晃被告に死刑を執行するのは当然なことと述べ、「主人は殺された。犯人は全責任を負うべき。その他の選択肢がまったく考えられない、彼は処刑されるべき」と語った。

教団の広報担当・荒木氏は、公で麻原被告のことを譴責していないが、もし麻原被告がオウム真理教の教祖じゃなかったら、地下鉄サリン事件が発生しなかった可能性があると漏らしている。

麻原被告の2人の娘はBBCの取材を受け、一連の動きについて、裁判所は民衆の意見に押され、日本のメディアは興奮しているなどと裁判所や、日本のメディアへの批判を繰り返し、麻原被告への死刑執行は不公平であると主張した。

多くの被害者にとって、麻原被告の死刑執行は、肉体的な苦しみを軽減し、恐怖の記憶を消すことができないが、1つの区切りとして、前進の一歩を踏み出せるかもしれない。

一方、現在では教団が「アーレフ」と改称され、教団内分裂の動きもみられている。最高幹部の上祐史浩代表(43)を支持する「上祐派」と、麻原被告への忠誠を誓う反上祐派との対立が続き、中立する多数派の中間派も存在する。東京世田谷区南烏山の本部を拠点に、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、徳島、福岡などにも施設があり、警察に24時間監視されている。

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