中国三峡ダム暴行事件:独政府の援助で、重体の中国人が手術を受ける、独テレビも募金口座

2006/06/22 更新: 2006/06/22

【大紀元日本6月22日】中国長江の三峡ダムの建設をめぐる人権抗争の代表者・付先財氏は6月8日、何者かに襲われ暴行を受け重体になった。治療代を払えないため、手術を受けられなかったが、ドイツ政府が6万元(日本円約9万円)を援助したため、18日同氏は手術を受けることができた。この事件はドイツ国内で大きな反響を呼び、テレビ関係者らは、付氏のために募金口座を開設した。

付先財氏の息子によると、同氏は微熱が続き、話すことはできるが、目以外に、体全身が動けない状態で、特に胸部以下は完全に麻痺している。医者からは手術しないと命は危ないとの説明を受けたが、一家は手術代を払えないため、病院は手術を拒んでいた。戸籍地の村役場に融資を求めたが断れた。その状況の中、6月17日午後ドイツ大使館が同氏の手術代6万元を援助した、翌日午後に手術が施されたという。

病院側は「18日の手術は成功したが、これからさらに2回の手術が必要、成功する確率は高くないが、しないと命が危ない。例え手術が成功しても、身体に障害が残り、余生は車椅子で生活するしかない」と説明した。

5月19日付先財氏はドイツテレビ・1チャンネルの取材を受け、三峡ダムの建設のために移転した130万人の現地住民に、中共政権が事前許諾した補償金をいまだに支払っていないと暴露した。6月8日、同氏がこの件について中国公安当局の取調べを受けた直後、帰宅の途中に何者かに襲われた。

この暴行事件はドイツ国内で大きな反響を呼び、ドイツ外務省はこのことに強く関心をもつと表明、中共政権に調査するよう求めた。ドイツテレビ・1チャンネルの関係者も、「我々は全力を尽くして、付先財氏を助ける。絶対に彼を見捨てない」と語り、募金口座を開設した。北ドイツラジオ局のプログ局長も中国大使に抗議状を提出した。全ドイツ記者連合会は公告を発表、ドイツ政府に対し、中共政権の人権保障を促すよう求めた。同連合会のミシェル・コカオン会長は「この事件に非常に驚いた。社会各方面に対し人権問題の重視を呼びかけたい。すべての駐外国記者が妨害を克服し、取材活動を続けることを期待する」と述べた。

付先財氏の息子は、国際社会の関心に深く感謝する意を表し、これからも引き続き応援してもらうことを願った。付先財氏は現在集中治療室におり、意識ははっきりしているもよう。

(記者・古清児)
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