新入生入学取り消し、上海復旦大学生徒・家族千人、抗議デモ

2006/09/06 更新: 2006/09/06

【大紀元日本9月6日】上海復旦大学はこのほど、700人近い新入生の入学を取り消したことから、不満をつのった生徒および家族が千人くらい、連日に大学側に対して抗議を行った。一部の生徒および家族は、現場にいた警察と衝突し、怪我を負った模様。

香港「太陽報」紙によると、復旦大学のスポークスマンは同件について、事実であることを認め、生徒および家族たちが大学の校門を囲い、キャンパスの秩序まで影響を及ぼしていると指摘し、相手側に対して冷静になるよう呼びかけた。現在、大学側は、生徒たちを社会人コースである「復旦大学継続教育学院」の受講をアレンジし、2日前から学費・雑費の全費用の払い戻しなどを含み、対策を講じているという。

情報筋によると、復旦大学通信科学およびエンジニアリング学院は、今年の6月に他校と独自の試験にて合同生徒募集を行い、全国共通生徒募集実施時より高い学費で680人あまりの生徒を集めたという。

当時、大学側は独自の試験にて入学した学生は、全国共通試験にて入学した学生と同様に扱い、卒業時に同じ卒業証書を配布する約束だったが、9月1日開校したと同時に、大学側から、違法の生徒募集という理由で、独自試験で入学したすべての生徒に対して、突然の入学取り消しを発表したという。

入学取り消しの発表後、生徒および家族は大学側に対して説明を求めた。大学側からは、独自試験による生徒募集は違法であることを明らかにし、すべての学費・雑費の全額は払い戻すと約束した。

生徒たちは、全国共通生徒募集試験を放棄し、同大学を選択したため、突然に学籍を失った現実を受け入れられず、大学へ殺到したという。その間に、大学側の秩序を維持するために駆けつけた警察と衝突したという。同件は未だに解決していないという。

復旦大学大学院在籍の学生・楊さんはメディアの取材に、今回の問題は復旦大学のみならず、中国教育業界全般で起きている。中国教育業界は最近教育を産業化する傾向があり、学校は教育が利益を生む産業だと考え、学費を上げ、あらゆる方法で生徒を増やして金儲けをしているという。

教育は利益を生む産業である考えは1999年ごろから、江沢民政権時代の金銭至上主義の影響で台頭してきた。大学入試の入学点に足りなくても、点単位でお金に換算して入学できる運営方針の学校が増えてきた。また、大学の授業料も高騰し、生活費を含めれば普通の大学での年間費用は、普通家庭の年収の半分以上が必要になっている。入学試験に入学しても、お金が用意できず入学できないことから、希望を失い自殺する生徒や親が後を絶たない。

関連特集: