中国、外資の証券市場進出申請受理を一時停止

2006/09/17 更新: 2006/09/17

【大紀元日本9月17日】中国当局は14日、外国証券取引企業が中国証券市場への進出および子会社を設立する申請に関する受理を一時停止すると発表した。中国当局最近の外資企業に対する一連の厳しい規制の制定は、中国がWTOに加盟した際の合意に背いており、国際社会に注目されている。

VOAの報道によると、中国証券監督管理委員会14日の発表では、外資参画の証券企業を含めて、新たの証券会社および営業業務部門の設立に関する認可は原則上一時停止するという。一時停止の理由についての説明はなかった。

一方、同委員会会長の尚福林氏は同日に行われたある会議で、「同決定は一時的なもので、中国証券取引業界における整頓改革が終われば来年10月から外資企業の中国証券市場への進出申請を再び受理する可能性がある」との意向を示し、受理を一時停止した原因は、国内証券取引市場の管理の強化及び証券取引業界におけるマクロ調整を実行するためであると強調した。

*外国企業の進出を制限する狙い

専門家が、今回の決定は中国当局が最近、外国企業の進出を制限する意図を一層明らかにしたと分析した。国内金融業界を保護し、銀行の証券取引業務におけるリスクを最小限にする狙いであるという。

アメリカの新興マーケット・ストラテジーズ社(Emerging Market Strategies)社長のウィリアム・ギャンブル(William Gamble)氏はインタビューで、「私は最近、中国人の外国企業による直接投資についての考え方がかなり変化したことに気付いた。このような変化は証券取引業界のみならず、他の業界にも及んでいる。この前、アメリカの金融投資会社が中国の金融会社に資本参画しようとしたが、政府当局に拒否されたことを聞いた。その原因は、民族主義の台頭は政治問題だけではなく、中国のビジネス業界までに発展してきたのではないかと思う。多くの中国人は自国がすでに経済大国となったから、外国企業による直接投資はもう必要ではないと考えているようだ」と話した。

また、「近年、外国企業が莫大な資金を費やして中国の銀行及び金融業界に投資を行ってきた。中国工商銀行だけでも、受けた投資金額はおよそ400億米ドルに達した。また、最近中国建設銀行の株価が大幅に上昇した理由も外国資本にある。流れてきた莫大な投資資金に対して、以前中国は拒まず喜んですべてを受け入れたが、今はあれこれとえり好みしている。先日、金融サービス大手のクレディ・スイスは、一応は中国証券監督管理委員会の承認を得て、北京証券取引会社の20%の株を獲得するために17億人民元の投資資金を用意したが、結局この商談は中国当局に反古にされた。さらに、中国証券市場に進出しようとしているアジア投資銀行も同様に多くの困難に見舞われている」と語った。

*資金潤沢の現在、当局は金融業界の整理を急いでいる

米国オハイオ州立大学経済学部の鄭竹園教授は、中国当局が外国資本の進出を制限する目的は、資金が潤沢の現在、国内金融業界における整理・改革を急ぐのが狙いであると語った。

鄭教授は、「この1、2ヶ月以来、例えば独占防止条例、銀行管理条例、不動産業界管理条例など、中国当局はいくつかの条例を実施してきた。これらはすべて外国企業の進出を制限するための規定である。中国当局は、外国資本が参入すれば、リスク管理の面において困難になると認識している」「中国証券取引企業は主にブランド力が低く規模の比較的に小さい証券取引会社に集中している。また、中国証券取引業界において、インサイダー取引や風説の流布などの違法事件は次から次へと起きている。そのため、中国証券監督管理委員会は、国内のいくつかの大手証券取引会社に投資し、業界内の合併を奨励し、同時に問題のある証券取引会社を取り締まった。当局は、これらの規制を実施することによって、外国証券取引会社に対抗できる中国独自の証券取引大手企業を育てようと考えている」と分析している。

*制限措置は一時的なものである

国際世論は、中国当局が外国企業の中国証券取引業界への進出を制限したことは、外国企業の進出によって得られた資本と経営管理経験に基づいて、中国で一つの成熟した完全な資本市場を形成したいという中国当局の当初の考えとかなりかけ離れていると批判した。多くの業界内関係者は、中国証券取引業界において外国資本が必要でなくなるとしても、外国企業の経営管理方式は絶対に必要であるとの見方から、外国企業の進出への制限は一時的な措置だという証券監督管理委員会官僚の発言は信頼できると認識している。

米国オハイオ州立大学の鄭教授は、「外国企業の進出を制限したことは一時的なもので、永遠に続くわけには行かないと思う。なぜなら、その制限を長く実施することはWTOの関連条例に違反することになるから」と述べた。

中国がWTOに加盟した際の合意によれば、中国は2006年12月11日まで、すべての外国企業に対して銀行、証券及び他の金融業務を開放し、中国金融サービス企業における外国企業による株保有は全体の49%まで許可されるべきであるという。

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