中国西安:始皇帝・兵馬俑、カビ菌の侵食が深刻化

2006/10/27 更新: 2006/10/27

【大紀元日本10月27日】北京晨報の報道によると、ベルギーの科学者ポール・ストッフェルス博士は、兵馬俑より青かび、コウジカビ、リゾープス菌(Rhizopus chinensis)、トリコデルマ(土壌カビ)、真菌が70%を占める計48種類のカビ菌を発見したという。これらのカビ菌は即時に処理しなければ、始皇帝の兵馬俑は全滅するという。

発掘され放置されたクモの巣に覆われている兵馬俑(Photo by China Photos/Getty Images)

ストッフェルス氏は、現在中国の博物館にある3つの竪穴の兵馬俑はカビ菌の侵食が発生し、特に2号竪穴が深刻であるという。同氏は、カビ菌の侵食による3つの現象が起きているとした。一、兵馬俑の表面が剥がれ破壊している。二、壁および地面は広範囲にわたりカビ菌に覆われている。三、兵馬俑の顔面の色は変色し、内部の弱化現象を引き起こすことであるとし、これらの問題を直ちに処理しなければ、兵馬俑の修復は不可能になると警告した。

兵馬俑はカビ菌の侵食のほか、空気の汚染にも脅かされており、風化が徐々に進んでいる。30数年前に兵馬俑が発掘された当時、本来の色を保っていたが、空気との接触によって退色が進んだという。

中国社会科学院の研究員は昨年7月に、何らかの措置を取り保護しなければ、100年以内に始皇帝・兵馬俑発掘現場は深刻な腐食によって腐敗化し、美学価値がなくなると言及した。

兵馬俑は始皇帝の副葬品として埋葬されたもので、1号~3号の竪穴および兵馬俑竪穴からなる。1974年2月、地元の農民が始皇帝の陵墓より東側1・5キロメートル先で井戸を掘ろうとして見つけたという。これらの実物大の兵馬俑は2000年以上もの間埋葬され、発掘されたという。発掘した場所は現在では博物館になっている。

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