【大紀元日本11月10日】世界保健機関(WHO)の執行委員会は8日、今年5月に亡くなった韓国の李鍾郁(イ・ジョンウク)前事務局長の後任に、香港特別行政区衛生署の女性署長である陳馮富珍氏(59)を選出した。
陳氏は香港に生まれ、カナダや、英国、シンガポールなどの国での学歴を有している。1978年から香港の政府部門で要職に就き、1994年6月から香港衛生署の署長に就任した。中国から選ばれたのは初めて。
フランスの「フィガロ (Le Figaro)」紙は「陳馮富珍氏の当選は、北京で開かれた中国・アフリカ協力フォーラムのサミットで、中国当局が参加するアフリカ諸国の首脳に、陳氏への支持票を投じるよう働きかけた結果である」と報じた。一方、中国駐ジュネーブの国連代表・沙祖康氏は、陳馮富珍氏はアフリカ諸国と限らず、全面的な支持を得ていると主張した。
WHOは世界各地で計8千人あまりの職員を擁し、年間予算は22億ドルに達する。陳氏の選出により中国側のWHOにおける主動的な立場を強まる一方で、台湾のWHO総会へのオブザーバー参加問題や中国大陸の動向が注視されている鳥インフルエンザ対策などへの影響が懸念される。