遼寧省丹東市30数体の死体遺棄事件:大紀元調査員が現地取材、深まる謎

2006/11/21 更新: 2006/11/21

【大紀元日本 2006年11月21日】中国東北部の遼寧省丹東市の近郊で今年5月中旬、農家の庭から30数体の遺体が発見された。このことが公にされた後、中国メディアは一斉に死体は合法な人体標本の加工に使われるものと伝えた。また、現地政府が本件の情報を封鎖、村民に対し、現地に行き、真相調査する者、特に法輪功学習者を監視し検挙するよう命じ、法輪功学習者を通報した場合、1万元の奨励金を支払うと約束した。一方、大紀元の特別調査員が現地で調査を行った結果、村民から様々な証言が得られ、この農家の庭で、大量の出所不明の死体を処理していたとの疑いがもたれている。

 5月18日、丹東市楼房鎮小孤山7組の村民らは、村内のある農家の庭で、30数体の死体を発見した。死体はほとんど中年以下のもので、子供も含まれていたという。村民らはすぐに現地の公安局に通報した。現地警察が現場を封鎖した。この情報がウェブサイトで公開された2日後に、中国国内のメディアは、死体は海外に輸出する人体標本を加工するためのものと口をそろえて報道、その後、本件に関する報道は途絶えた。

 一方、大紀元は現地に特別調査員を派遣し、独自の調査を行った。死体が発見された小孤山7組は辺鄙な山奥に位置、現場となる農家の庭は約2千平方メートルの広さで、所有者は40代の女性に建物と庭を貸し出していた。村にはわずか20数世帯しかない。現地政府は本件に関する情報を厳しく封鎖し、村民に対し、外部からやってきた調査者を監視し通報するよう命じた。また、中国国内で生きている法輪功学習者の臓器を強制摘出する告発が出されているため、現地調査に訪れる法輪功学習者もいるもよう。それについて、現地の「610オフィス」(注:法輪功への集団迫害を実行するために、全国各地で設立したゲシュタボのような組織)は、法輪功学習者一人を検挙する度に、賞金1万元を支給すると公布した。そのため、調査はきわめて困難な状況の中で行われた。また、情報提供者の安全を考慮するため、関係者の名前は伏せてある。
 

村民から集められた情報や証言の概要は次の通り

 

村民から集められた情報や証言の概要は次の通り

 死体発見現場の建物と敷地を借りていたのは40代の綺麗な女性だった。乗用車で乗りつけ、7、8人の若者を雇っていた。その女性は隣接する村でも土地を借りていたが、そこの村民が死体処理に反対するため、追い出され、その後に小孤山にやってきた。当初では、韓国食品の工場を名乗っていたとの説もあるが、中国国内のメディアは工芸品加工場であると報じた。

 女性が建物を借りた後、門は常時閉ざされていて、保冷車が昼夜問わず24時間出入りし、35歳以下と見られる若者が往来していた。庭の塀は2.2-2.5メートルの高さで、外部からは中をまったく覗けない。

庭に通じる小道、保冷車が通っていたという(大紀元)

 

庭の外観(大紀元)

 

庭の入り口(大紀元)

村民の一人はある時、保冷車に運ばれているのは人間の死体であるのを目撃し、一回で約32-35体ほどが運び込まれ、そのうち5、6体は7歳未満の子供のようで、そのほかは全部中年以下の男女、目が抉り取られた死体もあるという。
 

中国紙「遼瀋晩報」に掲載された庭の内部の写真(大紀元)

死体の処理は庭の前部で行われていた。死体の内臓などを処理するために、常時、数個の大きな鍋を炊いていた。煙が充満し、悪臭が漂っていた。その処理物は全部庭に掘られている大きな穴に埋められていた。時間が経過するにつれて、庭にある井戸の水も腐ったという。村民が大量の死体を発見し、警察に通報した後、公安局と衛生局の関係者が現場に駆けつけ、井戸の汚染された水を全部汲み出したが、地下に埋めた内臓などは依然残されている可能性があるという。

 大紀元の調査員は死体が発見された後、現場を訪れたが、扉は依然閉められており、留守番しているのは50代の男性だった。ガッチリした体格で、軍事訓練を受けていたようで、番犬としてシェパード犬が2匹いた。

 村民は、都会からきた大学生風の若者を見かけたことがあり、死体の解剖をするためのようだ。事件発覚後も、人が入れる大きな冷蔵庫と鍋は、依然現場に残されている。

 ある村民の証言によると、子どもが遊びの際に、庭の奥にある建物の屋根に上り、瓦を開いて家屋の内部をのぞくと、驚きの光景を見たという。屋内に数多くの死体が並べられ、その中の1人の若い女性は意識が戻ったが、すぐに注射され、再度意識を失った。直後に彼女の胸部が切開され、臓器が取り出されたという。驚いた子どもはその後、現場から逃げた。

 中国メディアが今回発見された大量の死体は人体標本を製作するためと伝え、合法的な商業行為であると報じたが、大連医学院のある医者は、このような説明は納得がいかないと述べ、標本の供給源は、①病院で死亡し、死後の献体に同意②死刑囚の献体③警察が提供した身元不明の遺体の3種類であることから、このように大量の死体が山奥の農家の庭で発見されるのは、きわめて疑わしいとの見解を示した。

 丹東市は大連市と隣接し、瀋陽市とそれぞれを結ぶと三市は三角形の位置にある。今年3月に、瀋陽市蘇家屯地区の病院の地下壕施設に、数千人の法輪功学習者を監禁、生きたままで臓器を強制摘出する内部告発が出された。一方、大連市の近郊では、ドイツ人ギュンター・フォン・ハーゲンス氏の世界最大の人体標本製造工場がある。その工場の周辺には、法輪功学習者を監禁する三つの収容所がある。今回の死体発見現場は、疑惑の瀋陽市と大連市とは、車で2時間あまりほどの距離である。その背後関係に、どのようなつながりがあるのかはまだ判明していない。

 そのほか、発見された遺体の出所と行き先、その「ビジネス」の背後にいる首領と関係者、疑惑の中年女性への処遇、辺鄙な山奥の農村を選んだ理由など、様々な疑問が残されている。
 
 

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