【大紀元日本12月4日】今年11月中旬以来、中国国内で高級魚ヒラメから発がん性物質や使用禁止抗生物質が検出されてから、北京市は全面的にヒラメの販売を禁止し、各地も市場で販売されているヒラメに対する検査をし始めた。検査の結果、ヒラメの他に、養殖ナマコ、くらげ、桂魚など多くの水産物も使用禁止添加物等の薬物が使用されていることが分かった。
中国大陸司法機関紙「法制夕刊」紙によると、中国全国各地へ水産物を供給している養殖ヒラメの主要生産地・山東省西北部にある莱州市と栄成市では、地元の住民は誰もヒラメを食していないという。最初は、高価な魚だったが、のち養殖が盛んになり、使用禁止添加物等が使われていることから、住民らは恐れて食べなくなったという。地元の住民によると、ヒラメの他にホワイトシュリンプも薬漬けされているという。さらに、使用禁止添加物は莱州一帯では容易に入手できることも調査で分かった。養殖関係者らは養殖水産物であるヒラメ、ホワイトシュリンプ、ナマコ、カニ、あわび、くらげ等の殆どに使用禁止添加物が使われていると示唆した。
また、香港食品環境署は最近、大陸から輸入した11の桂魚(ケツギョ)検体よりマラカイトグリーンが検出されたことを発表し、香港市民に対して桂魚の食用を止めるように呼びかけているという。
莱州のホワイトシュリンプ養殖業者・蒋氏によると、ホワイトシュリンプは体質が弱く、また、養殖池にて高密度で養殖しているため、病気にかかることが多いとし、稚魚からホルムアルデヒド(注)を投与しているという。同氏はさらに、高濃度のマンガン酸カリウム消毒液で養殖池を洗浄していることを明らかにした。蒋氏によると、付近のヒラメ、ホワイトシュリンプ養殖業者は安価で殺菌効果の高いホルムアルデヒドを使用しているという。蒋氏はこれらの薬品は使用禁止物ではないと主張した。
同地区の養殖業者はペニシリン、クロラムフェニコールでナマコに付いている病原菌の殺菌によく使用し、くらげの場合は、明礬(みょうばん)を塩に混合し漬けると皮が薄くなりシャキシャキの食感が出せることから、業者間ではよく使用されることを明らかにした。同業者は、明礬は化学工業品であることは知っているが、皆がやっていることで、商売のために仕方が無いと言った。
南京農業大学水産学部の劉文斌教授は、海洋水質が汚染されている中で、水産物は長期にわたり使用されてきた許容添加物に対して耐性が生じたことから、これまでに使用禁止されたマラカイトグリーン、フラン類薬品がかえって効果的であると説明した。
大多数の農民と漁民は、多くの都市で養殖ヒラメより摂取したことにより検出されたホルムアルデヒド含量がすでに基準を超過しており、人体に対して発がん性をもたらす深刻な問題であることを察知していないとみられる。
(注)ホルムアルデヒド (formaldehyde) は有機化合物。水などの極性溶媒に可溶で、ホルムアルデヒド水溶液は、毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。人体へは、粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、蒸気は呼吸器系、目、のどなどの炎症を引き起こす。皮膚や目などが水溶液に接触した場合は、激しい刺激を受け、炎症を生ずる。接着剤、塗料、防腐剤などの成分であり、安価なため建材に広く用いられている。しかし、建材から空気中に放出されることがあり、その場合は低濃度でも人体に悪影響を及ぼす、いわゆる「シックハウス症候群」の原因物質のうちの一つとして知られる。