【大紀元日本12月9日】強制立ち退き・住居人権監視団体COHRE(Centre on Housing Rights and Evictions、本部・ジュネーブ)は12月5日、家屋の強制取り壊しなどに抗議する中国人権活動家7人に、本年度の「居住権擁護賞」を授与した。活動家らは、抗議活動において逮捕や監禁、拷問、襲撃などを受けてきた。そのうち3人は現在も服役中。
BBCの報道によると、COHREは声明で、中国の人権活動家・黄維忠氏や、馬亜蓮氏、付先財氏、劉正有氏、陳小明氏、許正清氏、鄭恩寵氏の7人に、2006年度「居住権擁護賞」を授与すると発表した。
COHREのジャン・ドゥ・プレーシ事務局長は、「この7人の受賞者は、中国で大勢の農民や産業労働者、市民による住居と土地の正当権利を求める過程において、涙ぐましい献身的な精神、勇気と我慢強い忍耐力を示してくれた」とコメント、「彼らは、本人や家族、仲間が極めて危険な状況に曝される中、活動を行い、中国共産党政府による不公平な統治の中で、社会に希望をもたらす役割を果たそうとしている」と評価し、受賞した7人の中国人権活動家は、居住権を守る活動の中で、絶えず恫喝や、騒乱、暴力などを受けてきたと明らかにした。
7人のうち、3人はいまだに投獄されている。長江三峡ダム建設という国家プロジェクトで住居の強制移転を強いられ、国が約束した補償金をもらえなかった農民を代表して、国に支払いを求め続けてきた付先財氏は、今年6月にドイツメディアの取材を受けた直後、地方政権に雇われた闇勢力から暴力を受け、頸椎を骨折し、一時は重体に陥り、いまだに北京市の病院で治療を受けている。福建省の農地が強制徴収された農民の代表・黄維忠氏や、家屋が強制取り壊された上海市民の代表・許正清氏などは抗議を行ったため、それぞれ3年の有期懲役を科せられ、今は服役中。また、上海市の不動産問題に関わる人権弁護士・鄭恩寵氏は、大型の家屋強制取り壊しプロジェクトの被害者の依頼を引受け、不動産開発業者の社長・周正毅氏を告訴したため、3年間の有期懲役を科せられた。今年5月釈放された後も、外部との通信手段が絶たれ、軟禁状態にある。上海市の陳小明氏は、自宅が強制取り壊されたのを直訴したため、今年2月に警察に連行され、いまだに行方不明である。
今回の受賞者の1人、馬亜蓮氏は、国際社会による関心に感謝の意を表し、「今回の受賞は、我々数人への支持ではなく、中国国民全体の生存状況に対する関心と受け止めている」とコメントした。
もう1人の受賞者・劉正有氏は、ラジオ自由アジア(RFA)記者の取材で、人間としての最低限の生存権が脅かされた上、中国共産党による弾圧はさらに抗争の信念を強くしたと語り、「弾圧すればするほど、私はさらに強くなった。生きる道が絶たれたことから、抗争の信念がさらに強まった。汚職幹部に屈することのない抗争を絶対に放棄しない」と語った。
BBCの報道によると、2003年にこの賞が設立されてから、今回は初めて個人ではなく、グループに授与した。
また、COHREの最新調査研究報告書は、「2003年以来、中国国内では64万7千人は強制転居を強いられた」「警察当局は直訴する人権活動家を恫喝したり、恣意に勾留し拷問したりしており、集団抗争事件は2004年の7万4千件から、2005年の8万7千件に増加した」と明らかにした。