【大紀元日本12月16日】亡命中のダライ・ラマ14世は11年前、ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年(当時6歳)がチベット宗教界でダライ・ラマに次ぐ高位にあるパンチェン・ラマ11世の生まれ変わりと宣言した。その3日後に、少年は中国共産党(中共)政府に自宅から強制連行され、居場所が分からないまま現在に至っている。ゲンドゥン少年はその時から世界最年少の政治犯となった。
ゲンドゥン少年は1989年4月24日にチベット自治区嘉黎県に生まれ、1995年5月17日に中共当局に自宅から強制連行された。のち、中共当局はギャンツェン・ノルブをパンチェン・ラマ11世に認定した。
ゲンドゥン少年は強制連行されてから、国連人権委員会、国連人権事務局高官、国連人権事務局・児童権利委員会が相次いで中共当局に対して、少年本人との面会を要請したが、中共当局にすべて拒否された。
中共政府高官は対外的に、ゲンドゥン少年は正常な生活をしており、両親も少年の生活を乱されたくないことを望んでいると発表した。しかし、今年17歳になったゲンドゥン少年は未だに自宅に戻ることが出来ない。
しかし、皮肉にも、これまでに「世界最年少の政治犯」だったゲンドゥン少年は、はその座を譲ることになった。2006年9月30日、中国国境警備隊はナンパ・ラ・パス(Nangpa La Pass)で、ダライ・ラマ14世がを目指して脱出するチベット人一行を射殺し、少なくとも少女2人が死亡し、他20人が逮捕されたという。逮捕されたチベット人の中に16歳、15歳、13歳、12歳と最年少の7歳の子供がいたが、みな行方不明である。
パンチェン・ラマは生き仏「パンチェン・エアドニ」の略称で、ダライ・ラマに次いで最高位のチベット仏教の指導者である。パンチェンは梵語の「パンチタ(博学を意味する)」およびチベット語の「チャンボ(大きいを意味する)」の略称で、阿弥陀如来の化身と言われれる。