【大紀元日本12月27日】2006年12月21日、駐北京独大使館の人権担当一等秘書のスハイユン氏は、北京の身体障害者人権活動家・劉安軍氏とその妻・賈蓮英さんと同行し、北京の直訴村を訪れ、真冬の寒さを忍ぶ直訴者たちに防寒具を寄付し、直訴者たちからの訴状を受け取った。スハイユン氏はここ1年間、中国の深刻な人権問題に対して強い関心を寄せており、個人として北京当局に対して、人権問題を訴えたのが4度目である。
スハイユン氏はクルマに山のように積んでいる一部着古した衣服、シーツ、布団を直訴者たちに配布したのち、多くの直訴者と会話を交わした。
ある女性直訴者はスハイユン氏に対して、「当局はここにあるテントを取り壊した上、我々を殴ったり蹴ったりした。我々は帰る家を失い、家族がばらばらになった。しかし、当局はさらに、私の伯父に毒を飲ませ死亡させた後に、私のすべての親戚を連座すると脅かしたのだ。さらに、われわれに薬物を渡したのち、われわれが不法に薬物を販売していると白黒を転倒させ、罪をでっち上げた。私を精神病患者として扱うのだ…」と訴えた。もう1人の女性直訴者は同氏に匿名の訴状を手渡した。
女性直訴者はスハイウンさんに訴状を渡そうとした(大紀元)
男性直訴者の訴えに耳を傾けるスハイユン氏(大紀元)
50歳代の男性直訴者は、スハイユン氏に対して、「是非、今のイラクやアフガニスタンの新政府のように、中国でも民主政権を作るように協力してください。新聞にそう訴えてください」と嘆願した。
それぞれの訴状を持つ直訴者たち(大紀元)
劉安軍氏は記者の電話取材に対して、20分以上直訴村に滞在すると、警察は外国職員が現場を離れた後に、寄付されたものをすべて没収するというこれまでの経験から、スハイユン氏はぎりぎりの時間で引き上げたという。
劉氏によると、スハイユン氏は自分の権限範囲内で、中国共産党(中共)当局に対して、大陸の直訴者の人権蹂躙問題をすでに何度も提起し、強く抗議したという。特に、直訴者をむやみに逮捕し、殴打することに対して、中共当局を譴責したが、未だに改善が見られないという。スハイユン氏は、直訴者たちの主食は、毎日1元(約14・7円)のトウモロコシ粥を一膳しか取れないのと、真冬の中で暖房具がないため、直訴者たちは粗末な小屋に全員ぎゅう詰めて寒さを耐え忍んでいるのを知り、大使館の中で防寒具の寄付を呼びかけたという。
劉氏は、今年7月26日に服役満期後、自宅に戻った時点から、北京市宣武区公安支局および白紙坊派出所の24時間監視を受けたという。警察の車両は一日中エンジンを掛けているため、隣近所が騒音に悩まされたという。劉氏はそのために、監視する警察に騒音の件で交流をした。皮肉にも、警官らは自分たちは上部に信用されず、警察という職業こそ人権がないのだと言い出した。警官らは生活のために、警察と言う職業に就いただけなのだと愚痴を吐いたという。
記者が電話取材中に、電話の通信は何度も切れて、最終的に通じなくなったことから、劉氏の自宅の電話は当局に盗聴され、いつでも切断されるということがわかった。