【大紀元日本12月30日】中国石化集団は12月28日、国内精油価格の13度目の調整にもかかわらず、いまだ国際価格より大幅に低額なため、調整水準には到らず、同社精油業務において赤字を計上、9月末で精油1トン当たり平均900人民元の損失を出していると発表した。
「北京晨報」によると、中国政府はこのほど同社に対してその損失を補填するため、第一次の公的資金50億元の注入を決定した。同社スポークスマンによると、国際原油価格は2003年から上昇し続けており、同年1バーレル平均28・4ドルであったものが、06年1月から9月には1バーレル当たり66ドルと、倍以上に値上がった。
これと呼応して、順調に見えた中国経済にも翳りが見え始めた。精油価格の調整が13度に及ぶが、その製品価格が国際水準から大幅に下回ったため、国際原油価格が大幅に高騰しているため、中国石化集団は多額の赤字を計上してしまった。
2005年における中国石化集団の原油輸入の買い付け価格は、1バーレル当たり53・1ドル、対して中国政府が指導し規定する精油製品の輸出価格は、1バーレル当たり43・98ドルで赤字は必至だ。
中国石化集団は、中国最大の原油加工会社で、精油製品を小売販売し原油輸入を業務としているが、その原油需要の80%を国際原油価格よりも割高で購入している。急速な経済発展を迫られる中国は、エネルギー需要が日増しに高まるが、こうした無理な会社経営に注入する「公的資金」の皺寄せが来るのは、常に人民だ。