カナダ閣僚、訪中時に人権問題を提起

2007/01/22 更新: 2007/01/22

【大紀元日本1月22日】カナダのジエームズ・マイケル・フレアティ財務大臣およびカナダのデビッド・エマーソン国際貿易大臣はそれぞれ先週、中国高官との会談で「必ず人権問題を提起する」と表明した。

エマーソン国際貿易大臣はカナダの企業代表団を率い15日に中国入りした。一方、フレアティ財務大臣は17日に中国入りし7日間にわたり、北京および上海を訪問し、人民元為替およびカナダ銀行の中国への進出等を含む貿易問題について、中国共産(中共)党財政部長と中央銀行頭取と会談を行った。

カナダのデビッド・エマーソン国際貿易大臣(David Emerson)(JEAN-PIERRE CLATOT/AFP/Getty Images)

両大臣は共に中共行政府当局に対して、北京人権問題に関心を寄せていることを提起し、率直に人権問題に対して議論することは貿易に影響を及ぼさないとの意見を示した。

AP通信社によると、フレアティ財務大臣17日に「中共当局に対して、カナダ当局は中国の人権問題に関心を寄せていることを率直に表明することは我々の責任である」と述べた。フレアティ財務大臣は、特に中国にテロリストとされ監禁されたカナダ公民のフセイン・セリル(Huseyin Celil)氏の問題について、話し合うとしたが、中共当局はそれに関する会見を拒否したという。情報筋によると、北京側に逮捕され15年の刑を言い渡されたセリル氏は新彊のウイグル族出身で、北京側はセリル氏のカナダ国籍を認めないという。

一方、エマーソン国際貿易大臣はカナダのCTVテレビ局の取材に対して、人権および貿易において中国側と均衡を取ることは完全に可能であることを示した。エマーソン大臣は、「人権、民主、法律および自由は相互に関連しており、経済発展を強化する作用がある。我々はこれらのことを慎重に扱わなければならない」と述べ、公開かつ建設的な姿勢が必要だと強調した。

アナリストらは、ハーパー首相の保守党政府は新たな対中戦略を構築しようとしており、すなわち、中共当局に対して、人権問題を公にすると同時に両国間の貿易を促進すると分析している。

保守党は昨年の政権交代後、対中国の消極的な対応を一変し、多数の大臣を中国訪問に派遣した。これらの行動からみれば、カナダの対中新戦略がすでに確定されており、その新戦略に対して十分な自信を持っているとの見方を政治評論家は示している。

2006年11月15日、ハーパー首相は「カナダ国民は我々政府に対して、世界的範囲における貿易関係の拡大を望んでいる。我々はそれに応えている。しかし、国民はカナダの重要な価値観、すなわち、我々が堅持する民主・自由・人権に対する信念を裏切ることは望んでいないと信じている」との談話を公開した。カナダの世論調査では、ハーパー首相の姿勢は、企業・財界をはじめ国民の普遍的な支持を得ている。

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