【大紀元日本1月29日】北京五輪に対してボイコット活動をしている国際メディアワッチドッグ「国境なき記者団」(本部・パリ)はこのほど、初めて中国政府の招待を受け、中国を訪問して対話を行った。同組織は中国訪問中、当局に監禁されている記者など80人の名前リストを提出し釈放を求めたほか、彼らの処遇を確認するために、刑務所や強制労働収容所を訪問することを求めた。また、中国当局のインターネットに対する規制を北京五輪前に撤廃するよう要求した。
北京から帰国した同組織のアジア支局責任者ヴィンセント・ブロセル(Vincent Brossels)氏は記者の取材に対して、「中国政府がこれらの条件を受け入れるのではあれば、我々は北京オリンピックをボイコットするための反対活動をいったん中止する」と述べ、中国政府が約束を守らない場合、再び反対運動を再開するとの構えを示した。
ブロセル氏は、「我々は監禁されている80人の名簿を中国当局に提出し、彼らの釈放を求めた。また、監禁施設に行き、彼らと面会することをも要求した。そのほかに、中国政府と頻繁かつ真剣に対話することを提案し、オリンピックを前にインターネット封鎖を解除するよう求めた」と明らかにした。
「国境なき記者団」が提示した80人の名簿には、ジャーナリストのほか、北西部の新疆ウィグル族自治区での少数民族や、法輪功、カトリックなどの集団への弾圧情報を、ネットでダウンロードしたり、伝播したりすることで監禁されたネットユーザーなども含まれている。ブロセルス氏は、彼らの釈放に引き続き尽力していく構えを示し、中国政府に数週間以内に態度を示すよう求めたと説明した。
また、中国政府と建設的な対話を行う考えから、「国境なき記者団」は、北京オリンピックをボイコットする反対運動をいったん中止し、中国政府が約束を遵守しなければ、反対運動を再開すると明らかにした。
ブロセル氏は、対話するというのは、非難を中止するとの意味ではないと説明、「我々は、これからも年度報告や、新聞公告、日々の活動および記者と政権異見者への声援を通して、国際社会に中国で発生している真相を伝え、民主を一貫して強く支持し、独裁者に同調しないことを訴えていく」と述べた。
同氏は、北京オリンピック期間中に外国記者の取材環境などを密接に注目していくと強調、今年1月1日に実行された外国記者への管理条例について、「国境なき記者団」はオリンピック終了後の状況の逆戻りを懸念し、中国政府に対し、同管理条例を継続するよう要求したと明らかにした。
監禁されているジャーナリストなどとの面会は中国政府に拒否されたが、ブロセル氏は引き続き求めていく構えを示した。
「国境なき記者団」(略称RWB、Reporters Without Borders)は、言論や、報道の自由の擁護を目的とした、ジャーナリストによる国際的な非政府組織。1985年にパリで設立された。世界中で拘禁や殺害されたジャーナリストの救出と、その家族を支援。そして各国のメディア規制の動きを監視や警告をするのが主な活動である。
(記者・王泓)