【大紀元日本2月6日】カナダ・バンクーバー最大手新聞紙「バンクーバー・サン(Vancouver Sun)」は2月1日、「中国へ臓器移植手術を受けるカナダ人――多くの臓器は死刑囚からだ」と題した記事で、約140人のブリティッシュ州のカナダ人が海外で臓器移植手術を受けたことがあり、そのうち42人は中国へ渡航し手術を受けたと報道した。情報によると、中国側が提供された臓器は処刑された政治犯に由来するという。
デービッド・キルガー元カナダ外交官およびデービッド・マタス国際人権弁護士は2月1日に発表された報告によると、中国共産(中共)党当局は自らの自由意志によって臓器提供をしていない死刑囚からの臓器を外国患者に販売しており、その内の多くの臓器は法輪功学習者からのものだと指摘した。
中共党当局はこれに対して、これまでに否定して来た。マタス氏はカナダ各地の医師たちから、中国へ渡航し臓器移植を受けるためには、少なくても5万米ドル(約610万円)またはそれ以上の金額が必要と明らかにした。しかし、この種の臓器移植売買が頻繁に行われていることを証明できる資料は少ないのが現状であるという。
これに対して、カナダ・ブリティッシュコロンビア州移植学会(BC Transplant Society)のスポークスマンのケン・ドナヒュ(Ken Donohue)氏は、記録によると、139人の同州住民がカナダ以外の国で臓器を入手しているとし、ここ5年間だけでも61人が海外で臓器移植を受けており、患者たちは帰国後に、同学会に対してアフターケアを求めたために、同学会に情報と記録が残ったという。
ドナヒュ氏は、「139人の内、少数の患者は自国で臓器移植を行ってからカナダに移民した。しかし、大多数はカナダに在住している住民が海外へ渡航し、臓器移植を行った」と説明した。ドナヒュ氏は、渡航先は中国が42人でトップを占め、次いではインドで19人、フィリピンが18人だと明らかにした。
ドナヒュ氏は、カナダ人は特に海外へ渡航し、臓器移植を受けるのに道徳および倫理問題において気兼ねをしており、特に中国に対してそうである。同氏は「我々は中国臓器の提供システムに対して、多くの疑問を抱いている。現時点では、我々が望むような透明性はないのだ」と語った。
一方、セント・ポールズ・ホスピトル移植科医学のデービッド・ランツバーグ主任は、5年間だけで自分の患者が20人も中国へ渡航し、腎臓移植手術を受けたとし、渡航者数がさらに増加していると明らかにした。ランツバーグ主任は「中国では臓器を選択できるため、ますます多くの患者が渡航を望むようになっている」と語った。
ランツバーグ主任はこれらの臓器の出所について死刑囚であることが明らかだとした。同主任は「実際、患者から、臓器は死刑囚からであると聞いており、法輪功学習者のものかどうかは不明だが」とし、「海外で臓器移植を行うことは合併症の発生が多くあり、一部の患者は病気になったこともある。何故なら、患者は移植された臓器から感染するからだ」と語った。さらに「まったく運試しであるのだ。何故なら、それらの臓器は、如何なる品質管理も行われていないからだ」と明らかにした。
ブリティッシュコロンビア州で、1つの腎臓を待つ期間は平均約5~8年であるため、海外へ短期間で臓器移植ができるとは、患者にとって非常に魅力的であるが、ランツバーグ主任は患者に対して、海外で臓器移植を受けないようにと説得している。しかし、成功率は五分五分であるという。同主任は「往々にして、自分は患者が海外へ渡航したことが分からず、患者が臓器移植手術終了して、帰国してから初めて知るのだ」と語った。
海外への臓器移植を杜絶するために、マタス弁護士は、カナダ各州当局に対して、海外で臓器移植を受けた患者に対して、アフターケアの費用請求を拒否する提案に対して、ランツバーグ主任は反対したが、カナダ政府が新たな法律を定め、海外の臓器提供は非合法的行為であるもう1つの提案に賛成した。ランツバーグ主任は、新しい法律は、カナダの現存法律「児童における性的売買旅行業」に基づくことができるとの見解を示した。
キルガー氏およびマタス氏の新しい報告書では、カナダ外交事務部へ、カナダの住民に対して、中国の臓器は死刑囚に由来することを明らかにし、旅行公告にて住民に知らせるよう呼びかけた。ブリティッシュコロンビア州移植学会は、カナダの住民に対して、海外へ臓器移植を制止するためのもっとも良い方法とは、国内での臓器獲得数量を増加することだとの見解を示した。
http://www.epochtimes.com/b5/7/2/5/n1613718.htm
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