【大紀元日本2月8日】米国婦人権益団体から人権賞を授与された中国民間エイズ予防活動家で医師の高耀潔氏(80)は4日午前、渡米のため在北京・米国大使館でビザ取得などの出国手続きを行ったが、それ以前に河南省当局から妨害を受けた。「博訊」ネット新聞によると、河南省「婦人聯合」職員と副省長が高医師をたずね、渡米を止めるよう説得した。同氏がこれを拒否したところ、当局は高医師の自宅周辺に大量の警察を配置し、訪問者が全員尋問され、同氏の子女まで尾行され監視されている。
ネット・オンライン雑誌「中国事務」の伍凡・編集長によると、中国のエイズ状況はすでに深刻で、当局は高医師が外界へ河南省のエイズ真相を漏洩することを懸念している。伍氏は、「エイズが中国で拡大しているのは、感染ルートが幾つかあるからだ。その中の1つが、血液販売と薬物使用であり、すなわち注射針の使い回しによる感染だ。高医師は河南省におけるエイズ感染の独自な情報を把握している。当局によって何度も情報封鎖された。高医師が渡米すれば、米国のNGOは、必ず中国のエイズ状況を聞こうとするだろう。そして中国のエイズ状況に理解を示し援助しようとするだろう…中国当局にとっては、いやな状況だし悪夢だ。何も明らかにしたくないのだ」と分析した。
伍・編集長は、数年前に張文康・前衛生部長が、SARS感染を隠蔽した例を挙げて警告、「当時の北京当局は、SARS発生を否認したが、広東省の一教授に暴露された。香港の医療機構も情報の透明化を求めた…それは、香港と広東とは頻繁に行き来をしていたからだ。その結局、香港にもSARS感染が発生したが、それは広東省から伝染した」と指摘した。
米健康自覚協会会長の厖玉斌・医師は、「中国当局は、高医師が真相を暴露することを恐れている。河南省のエイズ感染を暴露したのは高医師だ。河南省の売血によるウィルス汚染で感染した事実も明らかになった。全世界の協力を得て感染を抑制するのは、良いことだし、河南人の心意気だ。しかし、現在の当局の対応は、サーズ(SARS)発生流行時と同様だ。広東の(保健衛生)防疫力は比較的強く、本来は中国一国で処理できる問題だ。世界衛生機構(WHO)も、中国当局の対処の仕方には頭を捻っているのではないか」と譴責した。
報道によると、2001年から2003年まで、河南省当局は一貫して高医師の海外訪問と受賞を阻止してきた。