【大紀元日本2月12日】2005年4月22日に中国広州でスパイ容疑で突然逮捕されたシンガポール英文紙「海峡時報」の駐中国首席特派員の程翔記者は、北京で5年の刑を言い渡され投獄された。先月末に広州刑務所へ移送されたことが妻の劉敏氏の情報で明らかになった。
これまでに親中派で、両岸統一を支持しているとされた程翔記者の逮捕と投獄は、香港社会およびメディア関係者の強い関心を引き寄せた。妻の劉氏によると、程記者は前中共総書記の趙紫陽が生前、秘密裏に受けたインタビューの原稿を入手するために広州へ出かけたが、広州白雲国際空港で公安に連行され、2005年4月24日から連絡が途絶えたという。
家族は程翔記者の逮捕は同インタビューの原稿と関係あるとみているが、中共外交部はそれを否定し、「海外情報機関により、程記者は中国国内で情報収集スパイ活動を行い、大量な金銭を受け取ったため」を理由に逮捕したとし、程記者本人も認めたという。しかし、2005年5月31日、同発言は中共外交部のウェブサイトから削除された。情報筋によると、米政府はそれからさらに、程記者の逮捕に強い関心を寄せたという。
北京市人民検察院は2006年2月に、程翔記者の案件を中共国安部へ戻し、補充調査を求め、7月末に、検察院は同案件を裁判所へ移送した。程記者は昨年8月31日に、5年の刑を言い渡され、政治権利剥奪1年、30万人民元(約444万円)の個人財産が押収された。
程記者は高血圧、不整脈、高脂血症などを患っており、健康状態が思わしくないため、家族は中共当局に対し、外部病院での治療を求め続けているという。家族はこれまでに、弁護士を通じて北京市郊外の拘置所に拘留された程記者と月に1度の面会で、同氏の状態を知るという。
「記者保護委員会」は2月6日、香港外国人記者クラブで記者会見を開き、昨年だけで30人以上の報道関係者が中国大陸で拘留され、その中に程翔記者も含まれている。同委員会の年度報告によると、全世界における報道自由が厳しい状況挑戦に直面しており、一部の国家政府およびゲリラの類似団体から威嚇、制御ないし捜査を受けていると指摘した。会見の内容では、昨年は合計31人の報道関係者が中共当局に拘留され、そのうちの19人はネット上での報道と関係するとみられる。