【大紀元日本2月17日】広東省珠江デルタ地域では、人手不足による工場の操業問題が深刻になっている。新年(農暦の新年)の後、故郷へ戻った出稼ぎ労働者たちが帰って来なくなり、工場が再開できなくなることを、多くの雇用主が心配しているという。香港の「文匯報」が伝えた。
虎門にある香港資本の衣料工場で働く呉さんは、「今年は工場の出稼ぎ労働者の70%が自宅に帰って新年を過ごすが、この調子だと新年がくる前から逃げ出す労働者もいそうだ」と言った。昨年は新年を迎える前に工場の60%の労働者が自宅へ帰って新年を過ごしたが、予定通り工場に戻ってきた者に祝儀を与えると事前に言ったにも関わらず、約半数の労働者が戻ってこなかったという。
珠江デルタに乱立する多くの中小企業の経営者が、新年を過ぎてから労働者が戻ってこないことを心配している。「仕事が見つからず、いつも困窮している」出稼ぎ労働者の姿は、今はない。現在では雇用主が労働者を見つけられず、慌てているのが現状である。
珠江デルタの中小企業の工場が労働者を引き止められない原因として、次の原因が挙げられる。1、福利厚生や賃金が低い。2、仕事の条件が劣悪。3、治安状況が悪い。4、子供の教育問題。5、住居の条件が悪い。6、賃金未払いや理不尽な天引き。7、余暇の過ごし方が単調で味気ない。
陜西省から広東省に出稼ぎに来ている趙さんによると、南海にある香港資本の靴工場では月給が600人民元、深センにある電子機器工場では800元も支給され、「西安でも簡単に800元ほどの月給の仕事が見つかる」という。 趙さんは、新年を自宅で過ごした後、広東省に戻るつもりはない。西安周辺の物価は広東省、深せん市よりもはるかに安いため、一ヶ月の収入を計算すると、実質賃金は広東よりも西安で働くほうがずっと多く、広東は治安が悪いことも懸念しているからだという。