北朝鮮:国境警備隊の軍人20人、中国に逃亡

2007/02/18 更新: 2007/02/18

【大紀元日本2月18日】最近北朝鮮国境警備隊の1小隊の軍人らが集団脱北し中国へ逃亡した。情報によると、これらの軍人達は死刑される2人の北朝鮮軍人と関係しているという。彼らは金銭を受け取り脱北に協力した疑いが掛けられている。北朝鮮の調査チームはすでに中国入りして、中国共産党公安部と情報部の協力を得り、捕獲に当たっている。

今回軍人集団逃亡事件は北朝鮮ではまれに見ることで、国際社会も注目している。BBC放送,APF通信社と韓国の各メディアはこのニュースを報道した。報道によると、国境警備隊の軍人が越境者の逃亡を助力するのを防ぐために、朝鮮共産中央党の組織は国境での動きが強めた。中朝国境の監視はさらに強化されている。

軍人約20人集団逃亡

ディリ-NKの報道によると、北朝鮮国境の北に位置する会寧地区の国境警備隊の軍人20人が中国に脱出して、北朝鮮の人民武力部の保衛司令部と国家安全保衛部の合同逮捕チームがすでに中国に派遣され、逮捕の過程で反抗した場合、射殺してもよいという命令も下された。

この逮捕行動は中国の公安部と情報部の協力を得て、捜査範囲は両江道恵山と接する長白地区と、慈江道満浦と接する集安市まで拡大されている。情報によると、脱出した警備隊のうち数人はすでに中国国家安全部に逮捕され、北朝鮮に送還されず、中国側の調査を受けている。

消息筋によると、北朝鮮国家安全保衛部は近頃中国の延吉、瀋陽、上海などで逮捕チームを常設し、脱北者と指名手配者の捕獲に当たっている。

死刑に予定されている国境警備隊の2人

ディリ-NKは消息筋の話を引用し、北朝鮮住民達の逃亡を助力してきた国境警備隊の行為を制止するため、2006年11月から2007年1月まで、平壌政権は合同検閲団を国境に送り、国境警備隊関係者に対して厳格な調査を行われていると述べた。

会寧市近隣の警備隊警戒所長1人と副隊長1人は主犯として逮捕し死刑されるという。処刑は1月の中旬に予定されていたが、金正日の誕生日(2・16)に配慮し、2月下旬に延期されている。

中国に逃亡した20人の軍人はこの2人と関わりがある。日本の朝日テレビ2月12日の放送では、中国のある都市で、脱出した警備隊のうち2人にインタビューができ、それによると北朝鮮国境警備隊の99%は密輸に係わっている。今回北朝鮮当局の厳しい措置は軍人の連鎖逃亡を引き起こす可能性があると分析されている。

北朝鮮国境警備隊軍人の財源

この十年間、北朝鮮人の脱北は多くなり、統計によると、現在約1万人の北朝鮮人が韓国に定住している、中国に隠れている北朝鮮人は数万人、あるいは十数万人に上ると言われている。

『朝鮮日報』によると、中朝国境ではいたる所に警戒所が設置され守られている、警備が厳しく渡江は不可能である。近年逃亡者が多くなってきたのは「これは警備隊が援護しているから、警備隊に金銭さえ渡せば、簡単に渡江できる。」と言う。

伝わるところによれば、渡江価格は人民元500元から1000元で、渡江したい人はお金さえ渡せば、警備隊員は自分の当番時間と場所を教え、指定の時間と場所に来れば、渡江できる。時には岸の向こうまで護送することもある。

「護送する」軍人の等級が高ければ高いほど費用も高いが、安全性も高まる。大部分の首謀者は警備隊中隊指導員と警戒所所長などの軍官で、この人たちはドルと人民元をたくさん持っている。お金が稼げることで、国境警備隊は北朝鮮軍人達に人気の高い部隊になっている。

言い換えれば、警備隊は比較的外部世界の情報がよく知り得る状況にあり、北朝鮮体制に対して反逆意識が生まれやすいといえる。

(記者・王珍)
関連特集: