【大紀元日本2月22日】韓国最大手新聞社「朝鮮日報」によると、中国の李濱・前駐韓大使は国家機密漏洩の容疑で昨年12月に、北京公安当局に召還・尋問され、調査を受けたという。李・前大使は、北朝鮮の金総書記が訪中時の接待係を務めたことがあり、金・総書記と深い交流があったという。今回の逮捕は、昨年メディア各社が早くから金総書記の訪中および6カ国協議会談を報じたことに関連するかどうかは不明である。
報道によると、李・前大使は駐韓任期終了後に北京へ戻り、北朝鮮核問題関連事務の大使に就任すると同時に、昨年6月より山東省威海市副市長にも就任した。しかし、昨年12月に北京公安局に突然召喚されたという。
香港明報は威海市政府職員の情報を引用し、昨年12月に、李・前大使は同市副市長から外れ北京へ戻されたとの通知を受けたという。一方、李・前大使は取り調べを受けているかどうかは不明であるという。
報道によると、李・前大使は1986年と1997年に北朝鮮大使館に勤務し、1997年に金正日が北朝鮮労働党総書記兼国防委員長に就任後の2度の訪中で、李・前大使が接待したという。李・前大使が漏洩した国家機密は、中朝関係に大きい影響をもたらす情報であると推測されている。
*金正日・総書記訪中情報の漏洩
中国外交部の資料によると、2000年から現在まで、金・総書記は合計4回にわたり訪中したが、金・総書記の訪中は情報公開しないのが慣例であることから、実際はそれより多いという。
ところが、秘密裏に行われているはずの金・総書記の訪中情報が漏洩した。昨年1月10日から18日の訪中について、韓国および日本のメディアは、金・総書記が湖北、広州および深センを訪問したことまで正確に報道し、宿泊先のホテルおよび中共上層部が、金・総書記の広東視察に同行したことまで報じられた。
*金・総書記と親交があった李・前大使
中国政府の公開情報によると、李・前大使は1977年から北朝鮮大使館を勤務し、課員、随員、3等秘書、2等秘書から、1991年の外交部アジア局副所長へ、1994年に駐韓国の中国大使館参事官までに上り詰めたという。さらに、97年に北朝鮮へ戻り、公使参事官を勤め、2001年、中国の駐韓大使、2005年8月に中国外交部アジア局副局長へと昇進したという。
香港サン報によると、北京出身の李濱・前大使は、北朝鮮の金正日大学で5年間勉学し、韓国語は流暢であるという。当時、金・総書記が訪中時の通訳は李・前大使が担当で、2人には親交があったという。李・前大使は1986年および1999年に2度にわたり、金・総書記の訪中に同行したという。さらに、2001年3月5日、金・総書記がワインで、李・前大使が中国の白酒を飲みながら、世界情勢および両国関係について深夜まで語ったという。
李・前大使は北朝鮮問題の専門家であり、金・総書記との付き合いが深いため、北朝鮮核問題の交渉に当たったことは、李・前大使にとっては重荷であったとみられる。
昨年6月、李・前大使は山東省威海市副市長に任命され、ビジネスおよび資本誘致を主管したが、副市長に就任して半年も経たないうち、公文書などが一切ない状況下で、威海市の副市長を退職した。本年1月、李・前大使が中央政府当局から取り調べを受けている情報がインターネットに流れたという。