中国共産党幹部終身制の終焉か、十数万人が失業

2007/03/01 更新: 2007/03/01

【大紀元日本3月1日】中国2007年前半で、省、市、県、郷の党委員の任期満了に伴い、約十数万人の幹部が離職することになる。この前代未聞の共産党幹部離職する流れが注目を集めている。

今秋に開かれる17届人民代表大会のため、中国共産党は全国範囲で幹部交代を急いでいる。今年の前半期で終了する予定である。中央政府は今回の交代で幹部の職務設置と年齢制限に厳しい規定を定めた。

十数万人の幹部が離職

新しい党委に関しては、正職1人,副職2人に決められ、これまで一つの県党委に9人の副職がいる状況を一掃する狙いだ。同時に省党委においては50歳以下の幹部が3人、45歳以下が1人を配置することを決めている。

中国の出版物「南風の窓」によると、各新党委員会は正職1人副職2人にし、若年化してから人数が激減し、約十数万人の幹部が離職することになると予想されている。この前代未聞の共産党幹部離職する流れが注目を集めている。汪玉凱・中国国家行政院の教授は「これは簡単な幹部削減ではなく、体制改革の前ぶれだ」と述べている。

狙いは地方行政管理コスト削減

中国の民間組織三春大地社会科学院院長の牛玉昌氏は、全国20あまりの省に訪れ調査を行った。同氏によると、今回の交代で中央指導部は地方行政管理コストの削減を狙っており、体制改革には程遠いものであるという。「これは中央政府の地方整備であり、中国社会の現状改革ではない。中国の政治体制は排他と排外的である。党は全てを統制するのは原因である。権力が無く、賄賂の金も無く、党員ではない者はこの体制に入ることは不可能である」と話している。

意識の進歩とは言えない

牛玉昌氏によると、現政権が発足してから、親民政策と反腐敗を実施したことで国民の支持を得た。一方、中国共産党は体制が勢力の参与と世論の監督を拒み続けている。しかも、共産党の内部体制は今でも不透明で、共産党幹部の管理と再生を裏でコントロールしている。これは中国官僚内部体制の最も腐敗している部分を固定化するだけで、意識の進歩とは言えないという。

牛玉昌氏は「歴史を縦軸で見ると、今の中国は数千年の歴史よりは進歩している、60年代の毛沢東時代と比べても進歩していることは認める。ただし、現代社会の発展を横軸で見ると、経済成長以外に政治とその他の各面においても遅れている。世界の先進国と比べたらその差は大きい」と話している。

権力闘争

今回の省、市、県、郷の党委員の交代に関して、中国政府メディアは地方党委指導体制の優性化のため、中央政府は幹部制度改革を遂行し、幹部終身制の終焉への第一歩と伝えている。

中国共産党中央委員会が昨年8月公表した党幹部職務任期管理規定によると、大勢の党員と幹部は今年前半期で年齢、健康、職務不適、処分受けなどが原因で、定年、自主退職、引責辞任、辞令退職と人事異動などの形で離職することになると予想されている。

牛氏は、これらの離職幹部はおそらく権力闘争の犠牲者だと分析している。「これらの離職幹部は、体制内では適応できず、中心権力に従わず、統一性を持たない人たちである。各地方はその地方の派閥闘争があり、これらの人たちは権力闘争により淘汰される可能性が大である」という。

職位がなくても生活は保障

中国共産党はこれらの仲間を見捨てるわけがないと牛氏はみている。これらの人たちは職位が無くても生活は保障されるだろう。離職した幹部の大多数は人事移動で各機関に入れられ、人脈と金のない人も閑職に就かせると考えられる。

現在中央政府は金で安定を買っている故に、今回の幹部削減では中国共産党幹部量が減らされることがない、国家の地方行政コストも減少することがないと牛氏は分析している。

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