【大紀元日本3月24日】中国東南部にある江西省鷹潭市は21日、千人以上の民衆が鉄道幹線路を遮断して政府の行政区画改編に対して集団抗議を行い、鷹潭市貴渓駅の線路に集結して鉄道の交通を5時間余り麻痺させた事件が起きた。当局が大勢の公安、武装警察を出動させ民衆を駆散し、その際に多くの民衆が負傷した。武装警察は最後催涙弾を発射して座り込みを行っていた民衆を駆散した。交通の要衝で起きた事件であることから、北京政府はすでに調査チームを派遣しているという。
中国東南部の鉄道幹線の要衝として知られる鷹潭市は、中国の中部と東南部を連結する鷹厦、浙贛(浙江・江西)、皖贛(安徽・江西)の3つの路線が交差しており、このうちの浙贛線は、上海から昆明に到る滬昆線の大動脈の一部をなしている。行政構成として、貴渓市(県級市)と余江市を管轄している。情報によると、鷹潭市政府は最近、その規模を拡大させるために貴渓市の市制を取り消し、これを3つの街道弁事所(市役所出張所)の所管に分割して月湖区に編入することを予定している。これにより、貴渓の経済、政治、教育等各方面に大きなダメージが及ぶと地元の民衆は懸念しているという。
香港・明報の報道によると、21日午前、貴渓市広場中心において、一部の民衆が「統廃合に反対する万人署名活動」を開始した。抗議者は、鷹潭市の楊憲平市長に「鷹潭から出て行け」と書いてある大きな横断幕を掲げていた。そのため、国道302号線の貴渓―鷹潭間は通行が麻痺し、政府の車両数台が破壊された。
正午ごろ、貴渓駅の塀が倒され、千以上の民衆が、「人民万歳」と書かれた旗を掲げて線路の上で座り込みを行い、その結果、往来する列車は全て通行を妨害された。
江西新聞網の報道によると、鷹潭市委、市政府が行政区画整理を行うとの噂が流れたため、江西省貴渓市の一部民衆が、21日午前11時35分ごろから、貴渓市の駅に侵入して線路を遮断し、午後1時ごろには約200人が線路に集結し、これを数百人が見物していた。
事件発生後、江西当局は多数の公安、武装警察を出動させて民衆の駆散にあたった。午後5時25分、線路に集まった民衆は駆散され、鉄道の交通は再開された。当地の人の話によると、武装警察は、最後に催涙弾を発射することで、ようやく座り込みを行っていた民衆を駆散したという。
情報によると、この事件は既に中央を震撼させており、関係部門が組織した調査チームが、既に21日に北京から鷹潭に派遣されているという。
現地の情報筋によると、行政区画整理により、貴渓市のGDPが20億人民元から2億人民元に下がり地元経済に打撃を与えること、また、同市の都市部と農村部を切り離すことになり、戸籍の変更や就業の問題など、多くの懸念材料から地元市民が不満を抱いているという。